なぜ肥料の大量投入はトラブルになるのか!土の働きから学ぶ効率的な活用法!

なぜ肥料の大量投入はトラブルになるのか!土の働きから学ぶ効率的な活用法!

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 土には三つの基本的な働きがある。①吸収力②保肥力③消化力である。多くの生産者が利用しているのは①の吸収力だけである。土壌には何を投入しても吸収力というのがある。これは主に土の中に含まれる酵素の働きで作られる。酵素には分解力というのがある。何を投入したとしても、ある程度は分解される。ここで大きく間違う。土は何でも吸収できるからと言って何でも投入する。化学肥料から有機物、動物糞、家庭の生ゴミまで、ありとあらゆるものを土の中に投げ入れる。そうすると土は豊かになると勘違いしている方が大半である。それは、どれくらい肥料として使えるのだろうか。全部が肥料になるとしたら、それは大量に入れた方がいいに決まっている。

 現実はそうはなっていない。土が肥料として使える量は土の性質で決まっている。保肥力である。保肥力というのは分かりにくいと思う。肥料は電気でいうとプラス。このプラスをつなぎ止めておくにはマイナス電気が必要である。マイナス電気の量は土の性質によって決まっている。もっとも多くのマイナス電気を持っているのはウクライナの土である。これを100点にすると、日本の土は25点ぐらいしかない。保肥力は弱いのである。肥料成分を大量に土に入れたとしても、土自体がそれを肥料として使える量は決まっているのである。残りはどうなるのか。腐る、ガスが湧くということになる。投入するだけ無駄なのである。投入すればするほどバランスを崩していくことになる。
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 土壌がとてもひどい状態になったとしても、まるでダメになることは少ない。それは土壌の消化力である。自浄力といってもいい。ここで大きく働くのは排水性である。排水がいいほどに消化力は高い。これは土壌の基本的な性質である。いい土壌を持っている生産者は有利で、悪い土を耕している方は不利ということになる。

 野山に自生している植物はこの宿命の中で生息している。山菜がよく取れる場所に注目してほしい。松茸も同じ。南斜面、風通しがいい、腐葉土がたくさんある。水分にも恵まれている。吸収力、保肥力、消化力のバランスが取れている所に生息するのである。しかし人間が作る畑では、自然の状態にしてしまったら経済的に成立しない。では人間が作る畑はこの問題をどう考えればいいのだろうか。

 三つの土壌の基本的な働きを説明した。これは変化しない。土は石であり、石は無機物だからである。変えたくても変えられないのである。そこで知恵が必要になる。

 ①土の吸収力を高めるにはどうすればいいのか。土には体積がある。単なる広さではない。これを利用する。作土層を2倍にしたら2倍の吸収力が出てくる。3倍にしたら3倍の吸収力が出てくる。「深く掘る」それだけで吸収力は高まる。
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 ②吸収力が高まれば利用できる土壌の体積量が違ってくる。保肥力がウクライナの25%しかないとしても、3倍の体積を利用すれば75%になる。さらに方法がある。マイナス電気を増やせばいい。乳酸菌もみがらぼかしはマイナス電気を持っている。善玉微生物もマイナス電気を持っている。保肥力は30%ぐらいアップできる。
 継続すればさらにアップできる。緑肥も同じマイナス電気を持っている。そうすると最初に少し多めに肥料を投入したとしても、土は保肥力として生かせることになる。
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 ③消化力は土壌の総合力である。悪玉の病原菌や害虫の卵、または悪玉のカビ(糸状菌)があったとしても、土壌の免疫力でトラブルにならないようにできる。悪い物が入らないようにすることはできない。入ってきたとしても広がらない環境を作っておけばいいのである。そのためには排水をよくする。土の中の酸素を多くすることである。
 この結果は作物に大きく影響する。樹姿、幹の太さ、葉の色、大きさ、根の張り、光合成する力、全てが変わってくる。そして収量も品質も大きく変わってくる。

 生産者の根本的な大間違いは土壌の保肥力と消化力をまったく考えていないという点である。土壌の分析にしても、出てくるのは土が吸収した状態だけである。それ以外には何も出てこない。多ければ減らすだけ、少なければ入れるだけなのである。それで作物が育つわけではないというのに、そこだけ集中している。作物が育つというのは保肥力なのである。これが低ければ作物が成長するということはない。日本の土は酸性で粘土質が多く、保肥力は低いのである。そこをどうするかなのである。保肥力に応じて肥料を投入する。当然のことである。それを頭の中に入れて生産している方は恐ろしいほど少ない。保肥力があったとしても消化力がなければ連作はできない。やってもトラブルになる。消化力を高めるには余分な肥料を入れないことが一番である。投入するほどに消化するには時間を要する。消化が次の作までに間に合わないことが多くなる。投入量が少なければ消化もしやすいということなのである。

 「土づくり」と、漠然と考えていることのどこが間違っているのか理解できただろうか。これがわかれば農業ほど楽な仕事はないのである。

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