「看取り先生の遺言」がん専門医ががんになってしまった!

「看取り先生の遺言」がん専門医ががんになってしまった!

 これは農業の話ではなく人間の「死」の話である。農業に関係のないことはできるだけ避けたいと思ってきた。人間にとって、死というのは一番大きな節目である。そこから農業を考え直してみるのも必要と思い、あえてテーマに選んだ。
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 人間はいつかは誰でも死ぬ。でも生きている間は死ぬことなんて考えることもない。突然に死がやってくるのかというとそうではない。少しずつ死に向かっていくのである。不思議なことだが、こんなに医療が発達しても、どうやって人間は死んでいくのかということについて、詳しく書いてある書はほとんどない。だから死が近づくと大きな不安がのしかかってくることになる。

 死んだ後、どうなるかは私にも分からない。でも生きている間のことは誰でも理解することは可能である。共通して言えることは死は生きてきたことの集大成であるということだけは確かである。死ぬことが恐いという感情は誰にでもある。得体のしれない大きな不安というものもある。死ぬ時の苦しみに対する恐怖感というのもある。この辺の事情を見事に詳しく伝えてくれた方がいる。晩年、訪問看護を使命にした岡部健医師である。岡部医師の活動を記録した本が「看取り先生の遺言」である。ジャーナリストの奥野修司氏がまとめている。岡部医師は日本でも有数のがん専門医である。がんの専門医ががんを患ってしまった。がんの専門医だから、自分の余命はすぐに判断できた。残った命を訪問看護に捧げる決断をしたのである。

 訪問看護とは自宅で最期を迎える人の看取りをするというのが仕事なのである。死と真正面から向き合ったのである。人間は死んでいく時にどうなるのか。これほど見事に詳細に記録したものはないように思う。とても参考になる。
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 死ぬなんて、何を不吉なことを言っているのか、と怒られる方もいるかもしれない。でもどんな最期を迎えたいのかと問われた時にはどう思うだろうか。誰でも苦しまずに安らかに最期を迎えたいと思うのではないだろうか。現実にはそのようにできる方は圧倒的に少ない。病院で最期を迎えないと死亡診断書すら出ない。葬式も出せないことになる。病院では生命がある限り治療をする。患者の苦しみや思惑とは関係なしにである。もっと分かりやすく言うと、なかなか死なせてくれない。

 岡部医師は2000人以上の方の最期を看取った医師である。どんな死を迎えるのがいいのかを肌で感じたのである。そこには医療の限界を感じた。死を間近にすると不思議な現象が共通して発生することに気がついたのである。そこでは苦しみもなくなり、安らかになれる姿があった。

 現在、元気に仕事をしておられる方でも、一読すれば感動すると思う。奥の深い書である。

「看取り先生の遺言
―がんで安らかな最期を迎えるために」
【著者】奥野 修司
【発行所】文藝春秋

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