夏の栽培トラブルは作土層の深さで決まる!

夏の栽培トラブルは作土層の深さで決まる!

玄米アミノ酸 この電話会議は7月27日に行われたものである。「夏野菜の弱点を補う」というテーマで開催された。会議の内容は主に根圏についてである。根圏については特集でも冬場の根圏について書いている。合わせて参照をされると、夏と冬の根圏についてよくわかると思う。

 夏野菜の栽培については共通した注意点がある。それは気温である。夏場は気温が上昇する。それも少しではない。30℃の真夏日がずっと続く。その時に根圏はどうなっているだろうか。それを知るためには土の地温ということを理解しなくてはいけない。

 夏の地温は5㎝くらいまでの深さなら大気温と同じである。これがさらに5㎝深くなると大気温の影響は少なくなるが、多少左右される。さらに5㎝深くなって15㎝の深さになると影響はかなり少ない。20㎝の深さになるとほとんど影響は受けない。このことがわかっていると根圏のことが理解しやすくなる。20㎝の深さがポイントになるのである。

玄米アミノ酸 5㎝〜10㎝の浅い所の土はどうなるのだろうか。大気温の影響を受けやすくなる。大気温の影響を受けるということは具体的に理解する必要がある。夏場の栽培トラブルはここに集中するからである。まず地表から5㎝とすると狭い場所に根があるということになる。暖気は上昇する。上昇すれば酸素量が少なくなる。息が詰まるのである。根は呼吸をする。呼吸をするとCO2を出す。これが、さらに酸素を奪っていく。根は呼吸ができにくくなる。

 根のまわりにはたくさんの微生物が集まってくる。微生物は生きているから呼吸をする。酸素を使う。CO2を出す。酸素はさらに少なくなる。酸素を奪っていくのは微生物だけではない。有機肥料も気温が高いと分解が早くなる。分解をしていく過程で酸素を使う。ますます酸素は欠乏していく。土の中の酸素だと漠然と考えてはいけない。根圏の酸素が不足していくのである。

玄米アミノ酸 温度が10℃上昇すると、すべての生物の呼吸量は2倍になる。人間も動物も同じである。熱帯夜が息苦しくて寝苦しくなるのは、そのためである。呼吸量が2倍になるということはCO2の量も2倍になる。それだけ土が汚れてしまうことになるのである。

 酸素量が少なくなるだけならまだいい。夏は高温多湿である。多湿も問題なのである。

 環境が悪く多湿になればカビが発生する原因になる。軟腐病、ベト病、モンパ病、立ち枯れ病、青枯れ病などは湿気が原因している場合が多い。浅い所に根を張らせるのではなく。深い所に根を張らせる必要がある。ところが夏野菜はスイカ、キュウリ、メロンなどのウリ科をはじめ、根を浅く張るものばかりである。ある意味では深く張る必要がないという自然の条件が働いているのかもしれない。

 作土層が浅く排水が悪い、また根が浅い所に張っているとしたら、作物は大変に過酷な条件にさらされていることになる。夏場の高温時には過酷さがピークになるのである。だから早くダメになってしまうのである。

 夏の果菜が早く終わるとか、メロン・スイカが上手に作れないという方はこのことをよく理解してほしいのである。

玄米アミノ酸 対策は根の張る位置をよく考えることである。夏は雨が多いので排水対策が第一である。次に20㎝の深さまで根が張れるような団粒構造にする。定植を深い所にするわけにはいかないので成長をして樹になったら根の周囲に盛土をして大気温の影響を少なくする。

 ぼかしを投入する時も表面ではなく根の張った深い所に入れていく。深い所に入れても微生物が活動できるように団粒構造にして酸素が蓄えられるようにするのである。

 このようにしていくと夏場の栽培トラブルの多くが解決する。大気温が暖かくなると地温はどのように変化するのかである。地温の変化は深さによって違うことになる。冬も同じである。だからこそ深耕ということが非常に大切になるのである。

玄米アミノ酸 意味もなく深く耕せといっているわけではないのである。夏は日照時間が長く、陽の光も強い。地表面がジリジリ照らされると温度の上がり方も早くなる。そのために自然マルチを考えてほしい。稲わら、かや、モミガラなどである。モミガラは乳酸菌でぼかしにしてあるとさらに良い。通気性を良くして直接地表面を温めないことが大切である。土というのは陶器を考えてもらえばいい。陶器は一度温められると冷めにくい。土も同じである。土から陶器を作るからである。そうだとしたら、できるだけ土は温めない方がいい。もちろん冬は逆であるけれども……

 これを逆利用したのが太陽熱消毒である。ビニールをかけて土の温度を上げて、その熱で菌を殺す方法である。

 夏は肥料をやり過ぎるとなぜ多くの問題が発生するのかご理解してもらったと思う。

 だからこそ、ゆっくり分解できるぼかしを多用すれば問題も少なくなるのである。土の深さと病虫害には明確な関係があることを忘れないでほしいと思う。

関連記事

  1. 「育苗」技術をマスターすれば収穫期間を大幅に延長できる!
  2. 夏作で5ヶ月間収穫できるようにする知恵はどこから生まれてくるか!
  3. 作物の生長には「水分」が命!水分コントロールができれば収入まで変えられる!
  4. 「定植」の仕方を間違えば生長は1ヵ月も遅れる!
  5. なぜ「畝」は立てるのか・・・?「定植」をするとはどういうことなのか・・・?プロの技術がある!
  6. シリーズ「栽培の基本」異常気象に対応した「育苗」の仕方!
  7. シリーズ「栽培の基本」「種子」と「育苗」の消毒は本当に必要なのか・・・?生命力の源泉は「菌体」にあるという現実!
  8. シリーズ「栽培の基本」病害の出発点は「購入苗」にあるという現実が理解できるだろうか・・・?
  9. 自家配合の「培土」を作ると土作りが見えてくる!
  10. シリーズ「農業の大切な基本③」冬場の「水分過多」と「高濃度養液」は 土を冷やし百害あって一利なし!