植物の夏バテ「なり疲れ」はどうやって解決できるのか

植物の夏バテ「なり疲れ」はどうやって解決できるのか

玄米アミノ酸 人間でも夏バテをするように、作物も夏バテをする。冬は冬で乾燥して水分が不足する。この電話放談会は8月28日に行なわれたものである。夏のことだから、夏にしか通用しないのかというとそうではない。冬にも参考になる。

 夏バテとは何のことだろうか。まず人間で考えてみよう。呼吸が苦しい。食欲がない。眠れない。これを夏バテというのではないだろうか。夏バテになる原因は3つである。酸素不足・水分不足・酵素不足である。この3つに共通するものは代謝不足である。代謝不足というのは、口から入れたものが体の中で十分に働いていないことである。口から入れたものがエネルギーにならなければ調子が悪くなるのは当然である。

 代謝が悪くなるのは酸素不足・水分不足・酵素不足なのですが、これが不足するとどうして調子が悪くなるのだろうか。それは有害物質が排泄できなくなるからである。必要なものを吸収して、不要なものは排泄する。これが順調にいっていれば、夏バテなんかはもともとないのである。

玄米アミノ酸 植物の夏バテも、まったく同じ理由で発生する。「そう言われてもピンとこない。人間と植物は違うでしょう」と思われる方はいると思う。代謝をして生命を維持しているという点ではまったく同じである。ではなぜ植物の夏バテ、高温障害は発生するのだろうか。それは第一に酸素不足である。この酸素不足はなぜ起こるのか。地表面が温められたとすると水分は蒸発する。暖気は上昇し、地表面の水分は不足するのである。

 暖気と一緒に酸素も奪われる。温度が10度高くなると、呼吸量は2倍になる。そこに酸素がない。酸素は減る一方である。酸素が少ないのに呼吸量が2倍にもなるのだからたまらない。代謝ができなくなる。呼吸困難となる。窒息死をして枯れるのである。植物が夏バテをするメカニズムである。

玄米アミノ酸 夏バテをさらに加速させる状況が夏野菜にはある。夏野菜といえばトマト・ナス・キュウリ・ピーマン・オクラなどが代表的である。花が咲いて実をつけるを繰り返す。何回も繰り返しているうちに「なり疲れ」が出てくる。ある時にはパタッと花芽が止まる。多くの方はどうしてなのかと首をかしげる。植物からしたら、自分の体が危機に直面しているのに花をつけるどころではないのである。まず自分の体を守らなくてはいけない。

 これをどうしたら解決できるのだろうか。酸素不足や水分不足になるポイントの場所がある。植物の樹がある地表面、根が張っている範囲の地表面である。ここが大気との接点である。ここを何とかすればいいわけである。そうすると夏バテもなく、なり疲れもなくなる。この地表面に自然マルチをする。稲わら、もみがら、草(カヤ)など、それも高温にならないようにするわけだから、10cm〜15cmの厚さに敷く。これは小規模栽培で手間をかけられる方に向いている。といっても施設栽培はほとんどが小規模だから該当する。露地は小面積である。大規模は少しやり方が違う。

玄米アミノ酸 そこで黒マルチに代表されるビニールマルチである。これは、まず厚さがない。呼吸しないマルチであればマイナス、穴あきで呼吸をしたとしても夏バテ防止にはならない。

 稲わら、もみがら、草などの自然マルチはどうして夏バテ防止になるのだろうか。

(1)地表面への直射日光をさえぎることができる。暖気で温度が上昇するのを防いでくれる。酸素不足を防止できる。同時に水分が蒸発するのを防いでくれる。水分不足が予防できる。

(2)地表面と稲わらなどの自然マルチの間に空気の層を作ってくれる。ここに空気の層ができるとたくさんの小動物、生き物が発生してくる。この生き物が土を分解してくれる。また土壌の微生物性を保護してくれる。

玄米アミノ酸(3)根圏の状態を安定させてくれる。ここが一番大切で大きな効果を生み出す。地表面が裸であると根圏は大気の影響をもろにうける。例えば水分である。大雨が降る。そのまま根圏に水が溢れる。酸素欠乏になる。

 自然マルチがあると、雨を吸収してくれる。また、日傘の役割をしてくれる。壁状構造になることもないのである。これを玄米アミノ酸の米ぬかぼかしや乳酸菌のもみがらぼかしと併用すると、さらに効果を上げることができる。地表面にぼかしを混ぜ、その上に自然マルチをするのである。自然マルチは常に呼吸をしているから、すばらしい有効微生物の世界ができる。

 このようにすることで病虫害の問題もかなりの部分解決ができるようになる。青枯病、灰色カビ病、ハンシンイチョウ病、黒点病、根こぶ病、センチュウなどの多くは水分不足または水分過多、酸素不足によるものだからである。

玄米アミノ酸 冬場も、夏場とまったく同じなのである。地表面と大気の接点をコントロールできれば1月・2月の極寒のなり疲れはカバーできるのである。

 余談になるけれども、10アールに何十tもの有機肥料の堆肥をせっせと入れて土づくりをした人と、自然マルチを厚くした人ではどちらがいい結果を出せると思うだろうか。断然、自然マルチなのである。「そんなこと、あるのかよ…」でしょうね。有機肥料は入れるほどに土の中に酸素がなくなる。

 夏バテ防止ができるようになったら、農業人としてはトップクラスである。それぐらいに高度な技術なのである。

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