「過剰害」が生み出される仕組みって何…?生産者だけの責任ではない理由!

「過剰害」が生み出される仕組みって何…?生産者だけの責任ではない理由!

 日本の生産人口の平均年齢は65歳を超えた。農業を始めて半世紀を超えた方が数多くいるということである。その間、どのような変化があったのだろうか。一番大きな違いは化学肥料の台頭である。それまでは存在しないものだった。手軽に使えて栽培が楽と、爆発的に利用が拡大した。一時的にではあるが、生産性も飛躍的に向上した。
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 有機肥料も大きく変化した。昔は多くの農家は、自宅に牛や豚を飼っていたものである。そこから出てくる糞を使い、肥料にしていた。少量しか糞の肥料は出ないので問題となることは少なかった。その後高度経済成長が始まった。農機具が開発された。家畜ではなく、事業として肥料が大量生産されるようになった。

 食生活も豊かになった。大量の有機肥料が出てきたのである。楽して儲かる農業みーつけた
それまでは乏しい肥料と手作業でやりくりしていたのに大変化が起きたのである。環境がまったく変わってしまったのである。化学肥料も大量に安く手に入る。有機肥料はもっと手軽に手に入る。今までは少量の物しか土壌に入れることができなかった。そこへいきなり大量の肥料を投入すると、おもしろいように生産性は向上した。入れたら採れるというイメージがインプットされた。これだけでは終わらなかった。ビジネスとして成立する見通しがつくと、事業者が出現する。資材を販売したらおもしろいように売れる。利益も出た。
 高度成長の時代である。給料も上がるが、物価も上がる。土地の値段はさらに上がる。不動産は必ず儲かるという神話も生まれた。
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 農地が宅地になり、街が出来、地主の生産者は大金を手にするようになった。消費量も右肩上がりである。お金を手にすると使いたい。これが人情である。そうすると、事業者はより魅力的な商品を開発するようになった。耕運機からトラクターへ。手作業のものをすべて機械化していった。栽培についても高額設備を開発していった。次々に便利なものが商品として誕生するようになった。

 ビジネスの恐い所は、一度このように歯車が回り始めると止められないということである。元に戻すことができなくなる。前年比マイナスというのはあり得ない話なのである。前年よりはプラスにしなくてはとハッパをかけられる。営業マンは必死で売り込みをする。

 ここに過剰害の構図が出来上がる。植物の立場など、まったく考えもしない。すべての話が土の中に投入することになる。当然、問題が出てくる。問題が出てくると、それを待ち構えている。売り上げを伸ばすチャンスなのである。これがいい、あれがいいと紹介してくる。そこで問題が消えたとしたらどうなるのか。これはビジネスとして成立しないということになる。次の問題が発生するようになっている。ビジネスとして成立させるには、商品が売れるような仕組みがなくてはいけないということなのである。
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 身のまわりのことで言えば服である。毎年、流行を作る。毎年変える。変えていけば古い服は一目で分かる。着られないようにする。新しいものを買わせる。これの繰り返しである。いつの間にか、家の中は服でいっぱいになる。

 過剰害というのは生産者だけが作ったものではないのである。ここが重要なのである。
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 仕組みとして作られたのである。そのために過剰害になるスピードは想像以上に早かった。この経過の中で重要なことが欠落している。生産物で利益が出たことはほとんどなかったという事実である。利益が出た原因は生産物の価格が上昇した。消費量が飛躍的に向上した。大面積の栽培を機械化することにより、生産コストが下がり、一人当たりの生産性を高めることができた。生産物、そのものの話はどこにも出てこない。そこで品種改良された。より高額な生産物が作れるようになった。これも生産者の努力ではない。種苗会社の成果である。現在でも種苗を独占する種苗会社は利益を出し続けている。種苗によって生産者が利益を得ているわけではない。

 時代は変化したが、肝心の栽培技術というのは少しも進歩をしていないのである。従って、生産物で利益を出すことは出来ないのである。この経過をもう一度振り返ってほしい。利益を得ているのは誰なのかということである。生産者ではないのである。利益を得ていないどころか「過剰害」という大きな問題を残してしまったのである。過剰害というのは取ることができない。一度、進行させると止めることもできない。50年前のテーマとは全く違ってしまったのである。50年前は肥料が乏しく生産性が低いことがテーマだった。それが真逆になったのである。肥料が乏しいところなんてまったくない。過剰害だけが残ったのである。それだけではない。生産物そのもので利益を出したことがないのだから、経営はお先真っ暗な状態である。どうしていいのか分からないのである。
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 特に問題なのは、過剰害がどれだけ農業経営にマイナスになっているのかということである。ここは未知の世界と言ってもいいぐらいに、未だに知識も何もない。

 誰のために働いているのか、分からない状態である。過剰害については、これまでも数多くのページを割いて説明をしてきた。しかし経営から話をすることは少なかったのである。今回の過剰害シリーズは具体的な損得に、敢えて触れてみようと思うのである。どれだけの損をしているのかを知ることができれば、栽培のアプローチに変化が出てくるからである。働くというのは、誰でも豊かさを求めているのである。それが現実にならなければ意味のないことである。

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