シリーズ「栽培の基本」病害の出発点は「購入苗」にあるという現実が理解できるだろうか・・・?

シリーズ「栽培の基本」病害の出発点は「購入苗」にあるという現実が理解できるだろうか・・・?

楽して儲かる農業みーつけた
 「自家の培土に挑戦してみよう」という話を前回したと思う。それには理由がある。その理由は、栽培の根本に関係することである。培土は生育のベースになるものである。丈夫に元気に育つことができるかは、培土によって決まると言ってもいい。その大切な培土を自家配合する生産者は非常に少ない。多くの生産者は苗で購入するからである。種を使う場合の多くは畑に直接、直播きをする。培土の必要性がない。しかも、すでに肥料が配合されている培土が販売されている。「面倒なことはしたくない」となる。それでいいのだろうか。実はこの所に大きな問題が隠れている。生産者からはまったく見えないのである。

 「培土は完全に消毒されていない。病害が含まれていることがある」このように言うと驚くかもしれない。ホームセンターで販売されている培土は厳しい価格競争に晒されている。どうすれば利益が出るのかと頭を抱えるような価格である。その中で質のいい培土なんて作る余裕はあるのだろうか。そんな手間をかけていたら利益なんて出ない。粒度を揃えて(といっても機械)化成肥料を入れて出来上がりである。当然、湿度も必要である。その中に病原菌がいるかどうかのテストなど、やっている暇はないのである。

 これがポットに入っている苗になると、さらに問題が大きくなる。種で購入すると100粒300円ぐらいである。それが苗になると1本200円~300円にもなる。1粒3円の種が1本300円の苗になるのである。
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 もちろん手間はかかっているので、それが一概に高いとは言えない。なぜ3円のものが300円になるのか、ということである。苗を作るにも問題があるということである。まず発芽率である。それから苗に適したものがどれくらい作れるか。さらに問題は、そこで病気が発生しているという事実である。もちろん売り物にならないために捨てる。このようなロスを考えると自然に高い苗になってしまうのである。裸苗の場合も事情に変わりはない。

 苗を作る場合は見栄えが良くなるように地上部に力を入れる。根には力を入れない。そのために化成肥料を多めに使うのが一般的である。培土に化成肥料を多めに入れて、水も多めにやる。するとどうなるだろうか。病気は出て当然である。加湿害である。
 一見、元気で丈夫そうに見える苗でも、病気を含んでいるかもしれないのである。「そんな心配をしたらキリがない・・・」そうだとしても確認するすべは何もない。結果としては問題のある苗を植えて、苦労をして育てることになるのである。初めから問題を含んでいるわけだから、途中でどうにかするというのは無理なことである。
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 それなら自分で自家配合の培土を作り、種を播き、苗を育てた方が確実なのではないだろうか。「でも手間がかかる・・・」農業栽培でもっともおもしろいのは「苗作り」なのである。人間でもそうだけれども、赤ちゃんを育てる時がもっとも楽しい。成長して素直でなくなると苦しいことの方が多くなる。植物も同じなのである。種から芽を出し、苗に生長していくプロセスは神秘に満ちている。ここに心をこめる意味がある。

 手をかける意味がある。だからこそ、ここに手をかける。心をこめるには別の意味もある。植物が育っていく原点を観察できるのである。根の張り、立ち上がりの茎の太さ、子葉の色と形などである。生長点の生命力などである。これはその後も同じことをくり返すだけなのである。生長点が伸びて新芽が出て花が咲き、新葉が出て、というリズムをくり返すだけなのである。そのリズムは種から芽を出すときに決定づけられる。もっと言えば収量が取れるかどうかは、この時点で決定づけられているといっても過言ではない。これは人任せにしていい仕事ではないのである。さらにある。水分の与え方である。これが、もの凄く重要なのである。勢いよくガーッと与えたらどうなると思うか。相手は芽を出そうとしている種である。もちろん水分過多になる。

 少ない水分で植物は育つということも、このプロセスを手がけることで理解できるようになる。
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 幸いにして玄米アミノ酸微生物農法をやれば、失敗なく発芽させやすい。もちろん、育苗室は必要である。温度管理と湿度管理はしなくてはいけない。温度は20℃~25℃、湿度は70%~80%である。60%を切ると乾燥になる。風通しも良くなるように注意しなくてはいけない。育苗土の量というのは多くない。そこに乳酸菌もみがらぼかしを投入すれば、微生物性はとても良くなる。グッドな環境が作りやすいのである。水分は玄米アミノ酸酵素液を100倍希釈ぐらいで与える。与える水分の量が多くはないのでコスト的にも負担にならない。芽出しが揃う。生長が揃う。根の張りが良くなる。茎が太く立ち上がる。

 培土と育苗については灯台下暗しである。一番大切なことを忘れている。一番楽しいことも忘れている。ここさえ、しっかりできるようになれば栽培はむずかしくないのである。最近では稲の苗でさえ購入する方が多くなっている。農業をやって利益が出ない一番大きな原因である。自分で種から芽出しをして苗を作れば1本3円の原価で済むのである。コスト的にもメリットはある。栽培の楽しさを苗作りで発見してほしいと切に願うものである。

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