「定植」の仕方を間違えば生長は1ヵ月も遅れる!

「定植」の仕方を間違えば生長は1ヵ月も遅れる!

楽して儲かる農業みーつけた
 畝立てが終わると定植である。定植とはどういう意味なのか。人間で言えば定住するということと同じである。例えば、新しい家を買って引越しをしたら、どうするだろうか。近所づきあいというのがまずある。近所づきあいが出来ないと気まずい思いと肩身の狭い思いをしなくてはならない。植物でも同じなのだ。植物が定植された環境が自分に合うのかどうかが、もっとも大切になる。定植する人間の方は、そんなことはまったく関心すらない。苗は深植えして、あげくには手で土を上から押さえつけるようなことをやる。そして水はジャブジャブと与える。これは正しい定植になるのだろうか。
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 種芋でも深植えをする。種でも厚く土をかぶせる。定植の意味がさっぱり理解できていないのである。定植するとはどういう意味なのか。植物が根を張る、新芽を出す、生長する土台をつくる。これが定植の意味である。そうだとしたら、そのようにできるように定植しないと意味が無い。例えば果菜の鉢植えを定植したとしよう。上の1/3は地上に出し、下の2/3を土に埋める。地上に出した1/3には軽く土を覆土する。これが正しいやり方。もっとも大切なのはどこの部分なのか。根と茎の境目、これが一番重要なのだ。根は土の中。茎は地上で風が通るようにする。根の働きと茎の働きは根本的に違うのである。根と茎の境目にある茎に風が通るのか、通らないのかではその後の生長が天と地ほど違ってくる。鉢ごと土に深く埋めて厚く土をかぶせたら、息ができない。土葬である。
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 ここに水を与えるとしたら、さらに大きな違いが出てくる。浅植えをすれば生長もしやすく水分の吸収もスムーズにできる。与える水分量も少なくて済む。それだけ土が傷まないということになる。ところが、これを深植えするとどうなるか。自然と水分はたくさん与えることになる。根は深い所にあるわけだから・・・。種芋でも種でも同じ。水分をたくさん与えると大きな問題が出てくる。水分による酸素欠乏。それもある。それ以上の大問題がある。雑草である。これが出てくる。土壌水分は多いほど雑草は出やすくなる。種でまいた場合は種が芽を出すよりも先に雑草が芽を出してしまう。種が芽を出した時、まわりは雑草だったとしたら生長できるだろうか。そのように極端ではなくても、後から雑草が出たとしても勢いがいい。肥料の吸収は雑草との競争になる。
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 「これはダメだ」と草取りをしたとしても、水分を多く与えたらまた次に雑草が出てくる。何を育てているか分からない状態になる。液肥を使って生育を促す場合も同じである。肥料があれば育つ。それは人間の思い込み。植物が育つのは光合成と適度な水分である。濃い液肥を与えるほど雑草がよく育つようになる。液肥は酸性だから土壌が酸性化して酸性の雑草が出てくるようになる。何に対して液肥をやっているのか。さっぱり分からない。何を育てているのかということになる。この話を聞いて「私はそんな馬鹿なことはやっていない」という方が大半だろうと思う。「オレはそれほどヘタではない・・・」と怒りの気持ちになるかもしれない。しかし結果がすべてを証明してくれるのである。

 正しく定植し正しく水を与えていたら樹勢がまったく違う。茎の太さも違う。葉の数も違う。葉の厚さも違う。生長のスピードも違う。花芽のつき方も違う。最後は収穫期間と収穫時期がまったく違ってくる。収穫期間は1ヶ月ぐらい伸び、収穫時期も1ヶ月ぐらい早まる。

 「でも、微生物のもみがらぼかしを使ったら少し遅くなるよね。生長も遅い」という方は定植のやり方がどこかで違っている。水の与え方も違っている。化成肥料や有機肥料と比較すると生長のスピードはもみがらぼかしを使った方が早いのである。化成肥料は最初こそ生長はいいが樹勢をいつまでも保てない。有機肥料は暴れる。葉だけ広がって害虫がつき、花芽がつかない。

 生長の過程で植物の生理が狂えば、そこでジ・エンドである。収量も品質も期待できなくなる。それが経験上分かっているのであたふたと手当てをすることになる。それは大変な苦労だと思う。しかしダメなものを修正したとしても所詮ダメはダメである。少しは持ち直す程度にしかできない。「農業は大変で儲からない」になってしまうのである。
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 慣行農法という何も考えずに習慣的に作業するということが、いかに間違っているかである。仕事一つ一つの意味を深く考えて実行する。農業は定植した結果が1ヶ月後に出る。1ヶ月後やった手入れが2ヵ月後に出る。2ヵ月後にやったことが3ヶ月後に出る。その繰り返しでしかない。ところが目先の仕事に追われて1ヶ月前にやったことを忘れてしまう。仕事をするときは3ヶ月、4ヶ月先が見えていないといい仕事はできない。

 特に定植の仕方から定植後の水の与え方で、その後の3ヶ月、4ヶ月がまったく違ってくるのである。本畑の作り方と育苗、定植でほぼその作は決定したと言っても過言ではない。全体の90%は終了である。普通は逆である。これから90%の仕事をすると思っているのである。すべてが決定しているというのに何の仕事をするのか・・・。

 農業は肉体労働ではなく頭脳労働であることを忘れてほしくないのである。

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