土の「生命力」は生物の多様性にある!生物の多様性を失っている重大な原因は…

土の「生命力」は生物の多様性にある!生物の多様性を失っている重大な原因は…

玄米アミノ酸 夏の収穫が一段落すると、次にやってくるのが土壌消毒である。そもそもなぜ土壌消毒をする必要があるのかということである。「変なことを言うな〜、土の中に悪い害虫がいるからに決まっているだろう…」ではなぜ悪い害虫が出てくるようになったのだろうか。そこを勘違いしているのである。自然界で土壌消毒をする必要があるのは農地だけなのである。


山林・原野は消毒をする必要がない。「そんなの当たり前じゃないか。山林・原野を土壌消毒してどうするのか…」そういう意味で言っているのではない。土壌消毒をしなくても葉は繁って美しい姿を保ち、実もつける。何年も繰り返しても病虫害で全滅などということにはならない。どうしてなのだろうか。

 その一番大きな理由が、土の中にいる生物の多様性にある。自然の中で善玉菌と悪玉菌のバランスがとれている。善玉菌だけになることもないし、悪玉菌だけになることもない。なぜバランスがとれているのかというと、多様な植物が自生しているからである。ある種だけが極端に自生することはない。

玄米アミノ酸 農業はこの逆をやっている。人間が食糧にするために都合のいい植物だけを集中的に栽培する。ある種、例えばトウモロコシ・トマト・ナス・スイカなど大面積で同じ物だけを栽培する。これを大量に収穫するためには大量に同じ肥料を投入し続ける。土の中にいる微生物の多様性は極端に減少していく。微生物というのは、その植物に応じて繁殖していくものである。また生物も同じである。居心地の良さはその植物の性質にあるからである。

 これが同じ植物ばかりになってしまうと生物も微生物も同じ物になり単純化される。もっとわかりやすく言うと、単純化されると天敵がいなくなる。ここに病気が出たら、どうなるだろうか。押さえようがなくなる。連作ではなく輪作すると病気が減る理由もここにある。

玄米アミノ酸 さらに誤解されていることがある。生物にも微生物にも悪玉菌にも、生活する範囲というのがある。この生活をする範囲というのは同じ苗同士でも範囲がある。人間がそれぞれの家を持って生活しているように微生物も同じようにそれぞれの家を持って生活している。広い所に集団生活をしているわけではない。それぞれの家の中で繁殖活動をして、世代交代をしている。人間の方では菌なんてみんな同じだから集団生活をしていると思っている。だから農薬で皆殺しができると考えられる。

 ところがである。それぞれに核家族だから難から逃げる者も多くいるのである。だから消毒しても、すぐに病害が出てくる理由がここにある。病害というのは、この核家族の中に入りこんでしまっているのである。実に厄介なのである。ガリバーが小人の国に行って戦争しているみたいなものである。もともと戦争にならない。消毒をやってもやっても病虫害が減らない理由である。

 農地は人間の都合で作った特別な土地である。特別な土地に特別なことをやって収穫する。その特別なことを、さらに極端に特別化していることが大きく分けて3つある。

玄米アミノ酸(1)排水性を悪くしていること
 農地にするためには土を耕し、細かく砕くわけである。土を細かく砕くほど土の密度は小さくなっていく。雨も通りにくく、風も通りにくい。自然に重粘土化するのである。重粘土化するほど土の中の生物多様性は失われていく。すると病気が出やすくなる。

(2)特定の成分だけを多くする
 収量を上げようと思って肥料を投入する。有機肥料を考えてもらえばいい。例えば醗酵牛糞としよう。これを大量に10アールに10トンも入れると特定の成分だけが多くなる。石灰も同じである。作毎に石灰を入れる。石灰分だけが多くなる。牛糞や石灰に限らず、特定の成分だけを投入することを繰り返す。特定の成分だけを入れるわけだから、特定の生物しか存在しなくなる。生物の多様性は失われていく。

玄米アミノ酸(3)無機体チッソの大量投入
 これも特別なことである。チッソ分、アンモニア分、リン分、カリ分を作毎に投入する。土の中の生物多様性は失われていく。

 人間が作った農地という特別な土の状態にさらに、特別なことを重ねていくと生物の多様性はドンドン失われていく。その結果、根は健全に成長できないという決定的な悪条件を作ってしまうことになる。

 ここに土壌消毒をする。土は決定的に生命力を失ってしまう。もう生きている土ではない。自然の生命力からはほど遠い、死んだ土である。土が死んでいるとも知らずに、また種をまく。病気が出て、上手に収穫できない。それを天候の原因にしても仕方がないのである。土が自然の生命力を失っているのに、どうしておいしくて形のいい作物ができるのだろうか。できるわけがないのである。

 農業をするのに一番大切なのは、生物の多様性である。これが自然の生命力そのものなのである。例えば稲田を見てほしい。最近の稲田は生物なんかいない。密植して化学肥料中心になったからである。昔とはまったく違う姿になってしまった。米はとれるけど、おいしくない。いずれ、収量が激減して、収穫できなくなると思う。それが自然の法則だからである。自然の法則を無視して農業が成功するはずがないのである。土の中の生物の多様性は考えている以上に重要なのである。

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