秋作に備えての土壌管理

秋作に備えての土壌管理

秋作に備えての土壌管理


秋作の土壌管理「7つのポイント」
 土壌管理は春にやる事と秋にやる事ではまるで違う。何がどう違うのか、なぜ違うのか、すぐに理解できるだろうか。基本中の基本なのだけれどこれが理解されていない場合が多い。その結果、秋作は最悪の結果になる。土を作るつもりが平気で壊す事になる。しかも壊している現実を知らない。よい結果が得られるわけがない。
?畑の土が壊れる理由
 水田の裏作にレタス・ブロッコリーを作る場合がある。茨械、千葉、埼玉、静岡などでよく見かける。この場合、もし水田がよく乾く前に慌ててトラクターを入れたらどうなるか。土の構造を壊す。土をこねくりまわす。土を硬くする。トラクターの接地圧は何トンにもなる重圧がかかる。秋雨が長く降り続いた場合はそれがさらにひどくなる。つまり上から大きな重圧をかけることで土に含まれる酸素を全部、抜いてしまうことになる。土は死ぬ。作物を植えても上手に育つわけがないのである。水田に限らない。砂地のアブラナ科の野菜も同じである。土がよく乾いてから耕作するのが基本である。
?秋雨対策
 秋雨は梅雨よりもっと雨量が多い年がある。集中して雨が降る。だから排水対策はとても重要なのである。明渠排水は当然のことながら、暗渠排水も是非、設置してほしいのである。植木鉢の底には必ず穴があいている。なぜ穴があいているのか。余分な水分を吐き出す為である。畑にもこの穴は必要なのである。それが暗渠排水である。
?苗づくりは土壌の状態に応じて作る
 苗は一度に作って一度に入れる。簡単でいいと思われるかもしれない。こんな大雑把なことをやっていて農業生産では成功しない。秋雨は断続的に降る。畑の乾くのを待って定植しないとすぐに根腐れになる。水分が多すぎると成長のリズムが狂ってしまう。その為に一日で定植するのではなく、状況を見て土が乾いた時に定植できるような準備が必要なのである。準備ができているかどうかで秋の収量はまったく違ってくる。苗半作はこの意味でも重要なポイントと言える。
?春肥と秋肥の違いは温度で決まる
 春肥と秋肥の正確な遣いを知っている人は少ない。とても重要なことである。春肥は夏に向うので温度がドンドン上昇する。温度が上昇すると肥料の分解は早くなる。しかし作物はそんなに大量に吸収できない。残存肥料が多くなる。腐る、害虫が出る。例えば吸収したとしても必要もないのに吸収するわけだから成長の生理が変になる。根だけズンドウに太くなったり葉だけ大きくなったりする。
 ところが秋は少しずつ寒くなる。温度は急に上昇しない。分解はゆるやかになる。作物の吸収もゆっくりになる。この状態になると問還が出る事が少ないのである。だから春の施肥は慎重に秋の施肥は思いきって大胆にということになる。
?軟の土壌改良は大過に堆肥を入れる
 秋から冬にかけては温度が下がっていくので分解が遅い。土壌改良にはもっとも適している。有機系の堆肥でもばかしでも大胆に入れて問蓮はない。この時期を逸して土壌改良の時期はない。
?石灰によるP.H調整も秋にやると最適
 石灰によるP.h調整はP.Hを測定してから実行してほしい。6.2〜6.5の6.2があれば石灰は必要がない。5.5より以下だったら調整が必要である。夏に石灰をまいているとしても、すでに消失してしまっている。効果は持続しない。
?オゾン層の破壊で害虫大発生の危険
 オーストラリアなどの南半球だけでなく、北半球にもオゾン層の破壊が深刻になっている。秋の日射量が強くて多い。その結果、カメムシやバッタが大発生となっている。稲のイモチ病は減るどころではなくふえる一方である。早刈り早出しは利益になるからという生産方法は大変危険である。稲の熟す時期とカメムシ発生の時期が一致するからである。
 秋作の土壌管理は以上の事に注意して栽培してほしいと思う。

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