激変する稲作農家!60kg 9、000円に耐えられる体力をつけるには・・・

激変する稲作農家!60kg 9、000円に耐えられる体力をつけるには・・・

 日本で農業といえば稲作である。その稲作が確実に変化しつつある。もうやっていけない稲作農家が続出なのである。関税700%と手厚い保護を受けてきたが、それも外圧で限界にきつつある。米価は下がる一方である。玄米60kg、9000円の時代は目前である。この価格で生産が見合うはずがない、小規模稲作が、なんと80%〜90%も占める。お金をつぎ込んでまで稲作をやる必要があるのかと思い始めたのである。無料でもいいから作ってくれるなら貸します状況も珍しくなくなってきた。さらに逆有償で作っていただけるならお金を出しますという有様である。


 この影響をもっとも大きく受けるのが農協である。農協の収入源は米である。米を集荷するだけで1俵、3千円の手数料を取る。それがなくなる。確実に先細りをしていく。農協の収入源の柱である米が先細りをしていくということは農協自体、機能しなくなるということである。これはまた大きな問題である。何の為に農協を作ったのか。その歴史をたどっていくと戦後の農地解放につながっていく。大地主は農協のような役割をしていた。小作人の世話と指導をして、生産物の流通から加工までやっていた。もちろん農業指導もやっていた。農地解放で小作人はリーダーを失ったのである。大地主というリーダーの代役として作られたのが農協である。しかし米価の崩壊とともに農協は自然崩壊しようとしている。再びリーダーを失うことになるのである。

 変化はすばらしいことである。変化があるから新しい生命が生まれ、アイデアが生まれ、ヒーローが出て進歩成長できる。

 稲作の世界でもそのヒーローが出現しつつある。米で一億円以上を売上している生産者が出始めたのである。この生産者は個人ではなく組織化された法人である。地区で言えば九州地区である。九州地区は特に小規模生産者が多くギブアップする人が早く出た。兼業ではやっていけなくなったのである。そこにヒーローが出現した。代わりに私が作りましょう。稲作生産が大規模になるとコストは60kg5千円で作れる。9千円で売ったとしても4千円の利益がでることになる。実に不思議なことだけれど生産を集約して合理化するとコストがまったく変わってくるのである。

 この人達はもちろん稲作についての優秀な技術を持っている。ただ大規模に生産をしているのではない。作るだけでなく売る事を最初から考えている。どうすれば高く売れる米が作れるか。どこの誰に売れば高く買ってくれるか、真剣に考えている。農協と比較してほしい。農協は市場を通しての委託販売が基本である。それで手数料収入が入る。売る努力は最初からしていないのである。批判ではなく、そういう仕組みなのである。

 成功したこの人達はどのようにして農業経営をしているのだろうか、機械の大型化は当然であるが、基本がしっかり出来ているところが大きく違うのである。

 稲作でもっとも重要なのが水の縦浸透である。生産期間中に水が縦に浸透すると土壌がやわらかくなく根が大きく、深く張ることができる。このような土にする為にはシーズンオフの生産しない時期が重要なのである、シーズンオフは秋から田植え前まである。この時期に田耕しをするのである。しかもロータリーではない。水田プラウという熊手のようなもので粗く深く耕すのである。耕す時期は土が一番乾いた状態の時に起こす。土に含まれる有機体チッソが空気に触れて活性できるからである。

 このようにして耕作すると小さな生物が繁殖する。糸ミミズ・ミジンコ・和タニシ・豊作エビ・ミズスマシ・カブトエビなのである。これが脱皮をしたりして、自然の肥料を作ってくれる。土壌はさらにやわらかくなる。土がやわらかくなれば根は深く大きくはれる。もちろん品質のいいものができる。現在は品質も改良され、九州でもおいしい米が作れる。この品質を作付けすれば米はさらに高く売れる。

 小規模生産の米づくりはまったくこの逆をやっている。ロータリー耕で浅く耕し、除草剤と化成で米をつくる。土は硬くしまり、根は狭く細くしかはれない。小さな生き物などどこにも見当たらない。田植えの時期でもカエルすら鳴かなくなってしまう。もちろん病害にも弱い、イモチ、カメムシにやられる。米の値がつかない。業者は賢いから選別機を買って色のついた米をより別ける。購入される価格は半額以下である。

 除草剤について一言ふれておきたい、除草剤の裏ラベルに書いてある使用量はもっとも効果の出ない地生を対象に書いてある。条件のよい平地なら1/3の使用量で充分な効果が出るはずである。除草剤のダメージは予想以上に大きいので少なめに使うのが品質の良いコメをつくるコツである。

 今回は稲作農家の変化をお伝えしたが、ヒーローと小作人を区別するものは何だろうか。それは学習する知恵である。少しやり方を変えれば生き残る道はある。しかし、それを怠慢にしてやらない。周囲は変化していくので追いつけなくなる。追いつけなくなるから生活が大変になる。悪循環である。これを断ち切るには成功者の知恵を借りることである。

 九州で成功された大規模生産者は障害者を200人も雇用している。立派な社会貢献である。どうしてそういうことができたのかを学習することはとても楽しくて自分の成長にもなる。悪循環から善循環に切り替えるきっかけになる。

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