夏野菜の収穫期間が30日も違いが出るのはなぜ?

夏野菜の収穫期間が30日も違いが出るのはなぜ?

 夏野菜といえばトマト・ナス・キューリ・ピーマンが代表的である。この果菜類は花芽が次々に咲いて、収穫できる。しかし、生産者によって収穫期間が違ってくる。なんと、上手な人と下手な人では30日も違うのである。上手な人は後半になるほど勢いが出て収量が出てくる。下手な人は樹勢が弱くなり、病気になって早く切り上げってしまう。この差はどこから出てくるのだろうか。夏野菜は野菜の中でも大きな差が出る作物なのである。


?育苗時のエラー
 果菜類の原産地の気候というのをよく頭に入れてほしいのである。問題が出るのはここだからである。問題解決のヒントもここにある。これからの話はイメージで聞いてもらう
とよくわかる。

 果菜類の育苗は18℃〜25℃が最適温度である。春の遅い北国では少し温かい場所を作って育苗するはずである。発芽させて子葉がでてくる。それから本葉が2枚〜3枚ひらく。この辺までは高温が必要なのだが、この先も高温を続けると徒長してしまう。茎が軟弱になって育苗に失敗する。育苗時の温度管理がとても大切なのである。これが後半の収穫に響いてくる。

 苗床はどの作物も一緒の場所でなく作物によって場所を変えるぐらいの工夫がほしい。特に夏果菜は風通しがよく夜温の下がるところが望ましいのである。

?耕作
 定植する前には畑を耕す。この時の土の条件がもっとも大切なのである。今年のように雨が続いて土壌に水分を多く含む時に耕作すると水分を多く含んで、練った土が下に入ることになる。これが大きなダメージになる。この状態で肥料を入れると酸素不足で腐敗する。腐敗すると病気になる。

 時間が立てば修復するということはない。重い水分を含んだまま作物を育てるということになるのである。これは後半戦に大きなダメージになる。根が健全に発育できない土壌状態にあるからである。この対策としては排水である。夏果菜は排水が悪いと上手に育つことができない。原産地が乾燥地帯で水分の少ない地域で栽培されるものだからである。

?定植する時間はいつが適当か・・。
 植物は温度や光に非常に敏感である。同じ時期に花が咲き同じ時期に実をつける。その時が植物にとって一番、都合の良い時間だからである。定植は高温になる日中をはずし、午前10時くらいまでに終了したいものである。この時間に定植すると根つきもよく、植物生理が順調に育ってくれる。

 定植した後の根の状態に注目してほしい。熱いと呼吸量が増大する。たくさんの酸素を必要とする。根も呼吸すると二酸化炭素を吐き出す。この根圏に酸素がどれだけあるかというのが後半戦の収量に大きく影響する。根圏の土が練られた土で水分が多く酸素が少ないと狭い場所がさらに狭くなり自分の吐き出すCo2 で自家中毒になってしまうのである。これでは短命に終わっても仕方がないのである。

?肥料の異常分解
 最近は有機肥料も大変安くなった。入手しやすくなったのである。だからたくさん入れる人が多いのである。夏場の高温期になるとこの有機物が異常分解を始める。そうすると硫化水素・メルカプタン・アミンなどの有害物質を出す。夏だからこその現象なのである。これが冬野菜になると現状はまったく違ってくる。スローにしか成長しないし肥料もゆっくりしか分解しない。
 異常分解が始まるとさらに問題がある。有機物が異常分解する高温時では呼吸量が2倍になる。酸素がそれだけ消費されることになる。夏場の高温障害はこのようにして起こる。もちろん後半戦の大きなダメージになる。原産地が少肥料で生産できる所である事を思い出してほしい。

?夏場の光と雨対策
 日本の夏は高温多湿である。夏野菜にはこの対策が不可欠なのである。原産地は雨量の少ない乾燥地である。日本は適地環境とは言い難いのである。だから工夫が必要になってくる。夏の暑さには遮光ネットが必要である。なぜ遮光なのだろうか。人間でも熱すぎると呼吸が苦しく活動が鈍くなる。植物も同じである。遮光ネットをすることで活動量がまったく違ってくる。

 日本には梅雨がある。夏の初期に必ずくるものである。夏野菜は大量の雨を嫌う。そこで雨よけ対策が必要である。施設栽培なら何も問題がない。しかし露地になると大きなダメージを受ける。現在は簡易パイプで取り付けの簡単なものが出ている。このように利用するだけでも根はダメージを受けず後半戦に期待できるようになる。

?夏場対策のポイント
 夏野菜は高温をどうコントロールするかにつきる。コントロールできればおもしろいほど収量が出る。しかし間違うと短命に終わる。コントロールする一番の方法は玄米アミノ酸のぼかしである。熱さ対策にもなり、異常分解を防ぎ、微生物活性してくれる。酸素の供給量も微生物がコントロールしてくれる。この便利な道具を使いこなすだけで夏野菜の栽培は格段に有利になる。

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