お客様に「ほしい」と言わせれば 安く買いたたかれることはない

お客様に「ほしい」と言わせれば 安く買いたたかれることはない

 物があり余る時代が続いている。この状況では消費者の立場が断然強い。選択できるからである。生産者は弱い立場にある。買ってもらえなければ収入がないからである。


 強い立場にある消費者は何を思い何を考えているのだろうか。そんな事を思った事はないだろうか。「作る事が大変で、そんな事まで頭はまわらないよ。」そうかもしれない。どんな事業でもすべての成功者に共通しているたった一つのポイントがある。なんだと思うか。それは「お客様の立場に立って、すべてを考える。」という事なのである。ジャパネットの高田社長はテレビで話をするだけで一千億円も売り上げる人である。売っている物はどこにでもあるような物ばかりである。それがなぜ売れるのか。安いから。おまけをつけるから。それなら誰でもできる。同じテレビに出ている他の人とはどこが違うのか。

 この商品を買ったら、あなたの生活がどのように変わるのかを徹底して話しかける。自分がお客様になったつもりで話しかけるのである。それがすぐに相手に伝わる。私も買いたいという人が殺到するようになる。

 農業生産者でジャパネット高田のような人はほとんど見かけない。言っておくが、言葉巧みに悪い品物でも売れるということはまったくやっていない。買ったお客様が心底に満足して、また買いたいとならなければ事業にならない。何回も続けて買っていただけるお客様こそ一番大切だからである。

 「あなたが作った物を欲しいと思っている消費者はどんな人ですか。そして何を望んでいますか。」この事に明確な返事がすぐにできる生産者は間違いなく利益を得ている。お客様が欲しい物を売っているわけだから当然である。そんな事を言われてもよくわからないよ。話は単純である。お客様が望む物を作れば高い価格で売れるよ。それだけである。それがわかれば苦労はないよ。それが簡単にわかる。近所の主婦を誘って5人〜6人の女性を集める。そして話を聞く。難しい事ではない。例えばあなたがリンゴを作っているとしよう。まずどこの店で買うのか。なぜその店で買うのか。何を基準に買うのか。大きさなのか。色なのか。味なのか。量なのか。生産者のラベルが貼っていたら、気にするか、しないのか。ここまで世間話をしながら聞いただけでもびっくりする事がいっぱい出てくる。

 お金を出す人って何でもかんでも、考えもなしに買っているわけではない事を思い知らされる。さらに聞いてみる。どんな味が好みか。硬いのがいいのか。蜜はどうか。甘さはどうか。農薬が気になるか。などなど思いつくままに聞いてみる。あなたが予想している答えとは違う答えかもしれない。お客様の気持ちはお客様にしかわからないのである。それを知るにはお客様に直接話を聞くのが一番なのである。

 お客様の気持ちが具体的にわかってくると仕事のやり方がまったく変わってくる。売れないとわかっているものを始めから作る馬鹿はいないからである。

 売れるとか売れないをなんとなく漠然と考えていないだろうか。安ければ売れるとか、旨ければ売れるとかである。安心、安全なら売れるとか。お客様の気持ちに現実にふれてみるともっと細かい所までしっかり見ている事に気がつくのである。それがわかればどういう品質の作物を作ったら買ってくれるのかわかるようになる。そこから逆算して作り始める。「それはリンゴや果物の場合で葉物は違うだろう。」それは消費者を知らないからである。ほうれん草だろうと春菊だろうと最後までしっかり見られている。わずか10円の違いで隣町まで出かける消費者だ。

 多くの消費者がある人の作った物はいいと言ってくれたらどうなるか。売る心配がまったくなくなる。逆に商品が不足する事になるかもしれない。みんながいいという物は高くても買いたい。これも消費者心理なのである。

 こういう作物を作ったら売れるという事が具体的にわかったら、どうやって作るのかである。次はそれを作っている人に聞くのが一番早い。すべては教えてくれなくても聞いた事には答えてくれる。それで充分である。自分のやり方とどこが違うのか比較してみるのである。すべて違う事はあり得ない。違いをずっと見ていくと、ここだというポイントにぶつかる。それを実行に移してみればいいのである。

 今回、お話をした内容は難しい言葉でマーケティングというのである。生産者もマーケティングが必要な時代になったのである。マーケティングというと難しくなるが、簡単に言えばわからない事は当事者の相手に聞けという事なのである。聞けば教えてくれるので誰でもわかる。それを元に物を作り、物を売れば誰でも消費者に好まれる作物ができるという事なのである。そして利益を生む事ができる。これをマーケティングできたというのである。それが反復されれば農業ビジネスとして成功できるという事なのである。
 難しい本を読む必要も、偉い人に頭を下げる必要もない。身近にいる人をうまく活用すれば自分のやっている事が自分の思ったような結果が出せるかどうかがわかるのである。金欠病を治すにはこれが一番の策だと思う。

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