自分で培養して「ぼかし」を作るメリットは利益を生む源泉である!
2011年の8月に乳酸菌のもみがらぼかしを発表した。身近にある残渣を有効利用して、低コストで微生物肥料が作れるようになったのである。そして昨年は10月に「ミドリの放線菌」を発表した。これによってカビによる土壌病害が抑制できるようになったのである。これでは終わらない。まだまだである。光合成細菌、重粘土改良ぼかし、窒素固定菌など、農業が直面していた大きな壁が崩れようとしているのである。しかも、全て自分で培養できて、低コストで生産できるのである。
農業史上、今までになかったことである。自分で培養する方法も簡単である。温度管理さえできればいいのである。誰でもができるようになったのである。
しかし、ここで注意をしておきたいことがある。私たちは醗酵の元になる資材の開発や菌の開発をする。それは誰でも使えるようになるまで単純化する。ここまでは私たちの努力で可能である。その先はすべて「あなた様」にやっていただくのである。出来上がった完成品が作れないわけではない。完成品になるとコストを安くできない。コストを安くするために「あなた様」に培養してもらうのである。そうすれば運賃もいらない。製造コストもなくなる、在庫もいらない。すべてがコストダウンになる。ところが、ここで問題が出てくる。自分で培養してみたがうまくいかない、問題が出てきた。虫が湧いた、温度が上がらない、温度が下がってしまった、温度が上がりすぎた。その度に右往左往する。これはある意味で仕方のないことである。
自分で肥料を作ることに慣れていないわけだから…。肥料は高いお金を払って買うものというのが常識だったからである。残念なことに、ここでやめてしまう方がいる。もったいないのである。一度や二度、失敗したとしてもやり直せばいいだけではないのか。あきらめてはダメなのである。失敗の原因は基本がわかっていない。ただそれだけである。難しいことで失敗していない。初歩的なことで失敗している。例えば、バーク堆肥ともみがらを合わせた。温度が上がらないとしよう。バーク堆肥もピンキリである。目の細かいものもあれば、粗いものもある。粗いものは醗酵しにくい。その時は米ぬか50㎏ぐらいを使う。ぼかしを作る要領で20%ぐらいの水分にアミノ酸液を溶かして練り込む。それをぼかしの中に入れ醗酵種にする。
ちょっとした工夫で、ほとんどが解決できるのである。やめてしまったのでは何も残らない。やっただけ損になる。この所は「あなた様」にやっていただくしかない。私たちではできないのである。わからなければ聞けばいいだけではないのか。なぜここまで言うのかというと、醗酵させることが微生物肥料のすべての基本になるからである。ここさえできれば農業が儲からないことはなくなる。その大きな目標が見えているから、あきらめてほしくないというのである。