「植物工場」にも土壌病害が多発!植物工場から何を学ぶべきか

「植物工場」にも土壌病害が多発!植物工場から何を学ぶべきか

玄米アミノ酸 「植物工場」という名前は知っていると思う。政府がすすめる新しい栽培方法である。多くの生産者はほとんど関係しない。なぜなら設備資金が大規模だからである。数億から数十億円かかる。企業向けである。「植物工場」はLEDなどの光を活用して栽培する方法である。農水省によると、この栽培方法はもっとも新しく、未来を豊かにして、食糧問題を解決するものであるらしい。もちろん日本の農業頭脳をすべて集結して作られたものである。栽培技術だけではない。ITの制御装置、光の技術、建築工学などである。政府の予算が大量に入っているわけだから当然である。その結果10アールあたりで11倍の収量を出すことができるようになった。

玄米アミノ酸 というと、これは凄いということになる。研究機関のすべての頭脳を集結したわけだから、問題は何も出ないはずだった。いいことずくめになるはずだった。ところがこれが問題だらけになりつつある。「植物工場」で作られる野菜は成長が早く、新鮮で安全で、おいしいものができるはずだったのである。当て事とふんどしは向こうから外れる。例外ではなかった。問題は深刻である。土壌病害が見られるようになったのである。「え!水耕栽培なのに…」水耕といえども培地は必要である。ココピートやロックウールを使う、この培地が思っている以上に早く傷む、病原菌をかかえる、水だから繁殖が早い。「そうはいっても水耕だから殺菌できるよね。」そのはずだった。殺菌する、そして栽培を始める。「アッ」という間に病原菌が復元する。

玄米アミノ酸 水耕だから復元力も超スピードである。特に単液循環式水耕栽培は菌が繁殖しやすい。水耕の培地病害が発生すると根腐れから、成育不良、変形まで病害が原因になることのすべてが発生する。11倍の収量が絵に描いた餅になるどころではない。新鮮さも安全性も保証されていないのである。もっとわかりやすくいうと、数十億円の投資は水の泡と消える可能性が大なのである。「そんな馬鹿な…」である。「いったい何の研究だったんだ…」と思われるだろう。日本の頭脳も中身が薄いのかもしれない。しかし工程管理などは実に見事である。全部が全部ダメというわけではない。なぜ、このようなことになるのか、原因は不明である。原因が明確になったとしてもお偉い学者様は認めることはしないだろう。

 これは日本農業の根本的な欠陥なのである。生産者のための研究になっていない。施設栽培や水耕栽培は共通した問題があると考えなくてはいけないのである。もっとわかりやすくいうと、研究者のいう通りにやったのでは利益が出ないということである。感情的になっているわけではない。根拠がある。それ以前の自然科学を無視しているのである。

玄米アミノ酸 植物も菌も生き物である。常に変化する。この変化を予測するということがなくては、栽培はうまくいかない。ところが研究というのは、一定の条件下で繰り返し行うものである。前提があって仮説があって、理論がある。証明を必要とする。そうしないと研究にならない。研究として認められないのである。それが現場に出た途端にすべてが狂ってくる。それが農業である。工業のようなわけにはいかないのである。

玄米アミノ酸 生産者はこのところをよくよく頭に入れておく必要がある。想定外は常に出てくるということである。「学者でもわからないのに、どうして私にわかるのか…」そこは学習とカンである。自然に戻ればいいだけである。例えば液肥である。これはチッソ・リン・カリだけではなく、アミノ酸を補強する。アミノ酸を補強することで、根圏の活力と免疫力は大幅に高まる。生命力のアップである。

 次に光合成を促進させる葉面散布である。実は植物工場は葉面散布は不要ということが前提になっている。しかし、葉面散布をやってみると、見事に効果が出てくる。しかも1/4ぐらいの薄い濃度で効果が出てくる。濃度が濃すぎると硬くて苦くなる。これはチッソ過多になれば当然のことである。薄い方が葉がやわらかくて、味は良くなる。

 この話は一見、植物工場の話のようだけれども施設栽培、水耕栽培には共通したものである。それが植物工場に進化したからといって問題は何も解決されなかったということなのである。土壌病害でもそうなのである。無菌に戻すことはできても、その先の対策がないのである。その先の対策は微生物力なのである。これしかない。自然は微生物の力で代謝をして、バランスを保っているのである。科学だけで解決できるほど自然は小さくもなければ生命力が弱くもない。自然の力をどのように活用するかである。ここに戻ってくる。無機プラス有機。しかも自然物で分解された有機である。

 最近では店頭で植物工場のミニチュアを作って栽培し、販売までしているところを多く見かける。いずれ、この問題に悩まされる日がくると思う。

 農業は生産者の工夫がどこまでも必要とされる仕事である。だから、おもしろいのである。

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