「病害」がなくなれば利益はどれくらい増えるのだろうかを試算してみる。

「病害」がなくなれば利益はどれくらい増えるのだろうかを試算してみる。

玄米アミノ酸 事業をする場合、どの事業にもビジネスモデルというのがある。中でも重視されるのは採算ラインである。上回ると黒字、下回ると赤字である。企業の場合はこれを厳しく精査する。月に一回は試算表といって利益が出ているのか、出ていないのかを確認する。試算表は銀行の融資を受ける時に重要な判断資料の一つになる。農業の場合はどうだろうか。帳面をつけている方は少ないのではないだろうか。肥料代・苗代・農薬代・マルチ代・パート代・ダンボール代・運賃代・手数料。手数料も農協・市場と経由する毎に出てくる。経費が高いと思われる順から並べていくといいと思う。(1)ダンボール代(2)運賃代(3)パート代(4)手数料(5)肥料(6)農薬(7)マルチ代になるのだろうか。

玄米アミノ酸 この中でも栽培の状況で動くものがある。農薬である。病害や害虫が多ければ農薬代は大幅にアップする。例えば作物の売上げが順調にいったとして600万円あるとしよう。病気も何もなかったことが前提である。チンゲンサイのように葉物の野菜の場合、利益はどれくらいになるのだろうか。農協に出荷したことを前提にしよう。約25%の150万円である。これは10アール当たりである。これは何もなくて順調だった場合である。病害や虫にやられたとしたら、この売上げはどうなるだろうか。30%減収になる。180万円の減収になる。ここで利益はすべてなくなる。赤字転落である。これを回復させようとすると3年〜5年はかかる。この間に一作〜二作をとばすとしたらさらに減収になる。

 畑が病害にやられると3年〜5年は赤字が覚悟になってしまうのである。ここから病害というものを考えていかなくてはいけない。病害が出れば利益はまずないと考えていいのである。

玄米アミノ酸 病害はカビ80%・バクテリア15%・ウィルス5%の割合で発生する。病気には3種類の発生しかない。(1)植物体の柔組織(やわらかい)に侵入して腐らせる。根腐れ、軟腐、立ち枯れなどが代表的。色が茶色になって汚くなる。植物体でやわらかいと言えば葉の裏、吸収根の先などである。(2)導管病。植物体には水や栄養を吸い上げる導管といわれる細い管が通っている。ここに病原菌が侵入する。色は緑のままで枯れる。青枯れ病などが代表的である。

 (3)肥大病。植物体のやわらかい所から侵入して病的に細胞を肥大化させる。根コブなどが代表例である。

玄米アミノ酸 病気の発生に共通している所がある。植物体の弱い所から侵入するのである。弱い所はどんな防御策を取っているのだろうか。対策を立てている生産者はほとんどいない。どうすればいいかなんて、聞いたこともないし教えてくれる人もいない。病気になったら農薬という対策はあっても、病気にならないという対策は取られていないのである。

 ではどうすれば病気に対する根本的な対策ができるのだろうか。それを話す前に、自然の樹木にはなぜ病気がないのかである。不思議には思わないか。やわらかい組織は守られているのである。何によって守られているのか。放線菌の類である。その中にトリコデルマ菌などもいる。乳酸菌もいる。

玄米アミノ酸 善玉の微生物が住処とする所と病害が侵入する場所は、ほぼ同じと考えていい。葉の裏はもともと自然には生理障害がないために病害は侵入できない。吸収根の先の一番やわらかい所は善玉微生物によって守られているのである。それなら吸収根に善玉微生物を増やしたら病気にはならないのではという話になってくる。ではどうやって増やすの…。残念ながら現在の日本の土壌には善玉微生物があまりにも少ないと考えて間違いない。そのための仕事はほとんどやっていないのが現状である。土壌病害は起こるべくして起こる。病害が出ればチッソ酸化物に害虫が寄ってくる。センチュウ・ヨトウ虫などである。悪循環になる。

 畑の中に一度、病害がはびこってしまうと回復させることは至難の技になる。

 最初の話に戻すと利益を出すことは難しくなる。農業が大規模生産になるほど、このリスクは高くなる。病害にかかるコストはもともと回収不能な経費である。

 生産者は病気を出さないことが利益に直結することを肝に命じなくてはならない。チッソ・リン酸・カリを大量に入れる。有機肥料を大量に入れる。それで収量を上げようとするのは根本的に間違っているのである。やわらかい組織の防衛軍をとにかく作らなくてはいけない。生理障害を発生させるような液肥の葉面散布は最小限にすべきなのである。根圏に防衛軍を作ってくれるような栽培をするべきなのである。そして利益を出すには何にコストがかかっているのかを見極めて、どうすればコストを少なくできるかを徹底的に研究する。25%の利益が50%にできるかもしれない。売上げも、さらに増やすことができるかもしれない。しかし、どこにかかっている経費がなぜ問題なのか。それがわからないのでは何もできないのである。

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