中国は農薬まみれと言うけれど、日本の土壌は大丈夫なのか!

中国は農薬まみれと言うけれど、日本の土壌は大丈夫なのか!

 中国の餃子問題は国内の野菜生産者に大きな影響を与えている。「中国は危ない。」「国産は安全だ。」国産の野菜に注文が殺到しているのである。スーパーの店頭でも目玉が飛び出るほど野菜が高い。これは本当の話だろうか。マスコミに踊らされて真実の姿を見失うのが恐いのである。
 大変に恐い話であるが日本の国内では今までにただの一度も土壌に残留している農薬が正確に計測された例はないのである。日本はいつから農薬を使い続けているのだろうか。終戦直後にアメリカから化学物質が入ってきて以来である。


 大量に使われ始めたのは東京オリンピック以降である。それから何年が経っただろうか。すでに半世紀近くも農薬まみれなのである。にもかかわらず、たった一度の検査もない。実をいうと中国はまだ使い始めである。さらに使える農業者は限られている。まだまだ所得は低いのである。年収5万〜6万の農家がジャブジャブ農薬を使えるわけがないのである。日本のテレビ放送は明らかに政治的なのである。しかし、こんなことはどうでもいい。問題は私達日本の土壌である。
 中国で農薬の使用量が低い理由はもう一つある。大陸性の乾燥気候で病害はもともと少ないのである。比べて日本は高温多湿であり、世界の中でも病害が出やすい土壌のトップなのである。ダニ・スリップス・ガなど高温多湿になるほど多く発生する。日本はこれからも病害虫とは闘い続けなくてはいけないのである。
 現在の日本の残留農薬検査は40項目で10万円程度だと思う。40項目の農薬には禁止薬物は含まれていない。禁止になる前は平気で使っていたのである。それはどうなってしまったのか。誰もわからないのである。「長い時間かければ分解するさ…」それは楽観的すぎる。特に稲田には除草剤の強い農薬が入っている。記憶している人も少なくないと思うが、消毒の後は赤旗を立て稲田に入らないようにした時期もあった。
 稲田に限らず畑でも土壌消毒は続けてきた。葉物とか施設とか連作をくり返すものは、消毒なしでは収穫できないのが現実である。消毒はするほどに土壌に蓄積していく。さらに困った問題がある。蓄積された農薬が土壌の中でどのように変質していくのか誰も知らないのである。変化と言わず、変質と言ったのは意味がある。大変な猛毒に変質する可能性がないとは言えないのである。また、さらに強力な抵抗性の強い病虫害を発生させる原因にならないとは誰も言えないのである。もうパンドラの箱である。何が飛び出るかわからない状態なのである。
 これが日本の残留農薬土壌の実態なのである。これを否定できる生産者は一人もいないはずである。みんな身に覚えのある人ばかりである。中国の事よりも日本の方が大きな爆弾をかかえているのである。
 この問題をそれぞれの生産者がどう考えるかで問題は大きく変化する。慣行農法の今までの生産方法を続けたらどうなるだろうか。土壌力はドンドン落ちて、農薬の使用量は増え、病虫害は大発生する。そんな事にはならないと思っている人が多いと思う。現実はすでに甘くない厳しい段階に入っている。現在許認可されている農薬は環境問題を考えて高価なものばかりである。農薬代は増える一方である。
 さらに大きな問題がある。育苗に使う土やピートモスはすべて輸入に頼っている。ピートモスは環境破壊ということで輸出が禁止の国が続出である。土も同じである。もちろん価格急上昇である。価格が高いだけならまだいい。手に入らない可能性まである。
 そうなったらあなたは打つ手を持っているだろうか。お金にものを言わせて好き放題に資材を使える時代は終ったのである。
 有機資材というと中国から安価なものが手に入ってきた。その中国が輸出しなくなってきた。自国をまかなうだけで精一杯なのである。ホームセンターに並んでいる有機資材の価格を見てほしい。驚くほどの値上りである。ロシアのカリ鉱床で事故が発生した。世界最大である。カリも間違いなく値上がりである。
 日本がおかれている状況が少しは理解できただろうか。こんな状態で国産が安全だ!国産の野菜や果物を食べたい、国産を増やせと言ったところで何ができるというのだろうか。これを生産者がどう受け止めるかである。それによって金持ち農家と貧乏農家に大きく分かれる。
 政治家や農水省に打つ手はもうない。国は借金まみれなのである。自分の事で精一杯である。どんな大嵐になるか誰にも予測できないがトンデモない大嵐になることは確実なようである。自衛策を真剣に考える時はすでに来ている。

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