猛暑の夏に植物を育てることは「なぜ」むずかしいのか

猛暑の夏に植物を育てることは「なぜ」むずかしいのか

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年の夏は全国的に信じられない猛暑だった。74年ぶりに日本最高記録も更新してしまた。連日35℃を超す晴天が続いた。8月はそうだったけれど、6月、7月の中旬までは低温の曇天が続いて日照不足だった。低温続きの天候が急激に高温の晴天続きに変化したわけである。こんなに極端に変わった年はいままでないと言っていい。まさに異常気象である。


 異常気象になると植物はどうなるのか。そして異常気象の中で植物の栽培をすることが、どれほど困難でむずかしいものかをお伝えしたいのである。

 多くの生産者は天候の事だから仕方がないと思っているかもしれない。そんな呑気なことを言っていたら先祖伝来の田地田畑を売り払う事態になってしまう。証拠がある、8月になって休作をしている施設栽培が実に多いのである。「もうあきらめた。」ということである。あきらめるには理由がある。採算が合わないという理由はわかりやすい。ではなぜ採算が合わないのだろうか。

 低温で曇りの日が続くと植物の葉は少しでも光を吸収しようとして葉肉を薄く、やわらかく作る。少ない光で光合成をしようとするわけである。そこへ急に晴天続きになる。今度は逆である。葉肉を厚くして多すぎる光をコントロールしなくてはいけない。しかしそんなに短期間で順応にできるわけがない。

 特に人間が食べるために人間が手がけている植物は天気の急な変化に弱いのである。人間の都合のよいように品種改良されているためである。
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 稲にも、すでに大問題が発生している。「密植である。」ほとんどの方は慣行の密植だと思う。この栽培方法は短い穂に実がつき糖熟期間が短い。刈取る時期が早くても遅くても味は下がる。密植なので空気が通らずに蒸れる。害虫に弱い。さらに夜温が高く寒暖の差がでない。糖を移動させて澱粉にすることができなくなる。おいしい米を望む方が無理というものである。量は取れるけれどお金にならない。

 果物も同じような大問題が発生する。低温の曇り日から急に晴天続きになると葉面が造花のような状態になる。水分が少なく指で触れるとツルツルして葉肉が非常に薄く感じるようになる。このような状態になると活発な光合成を期待するのはむずかしい。玉のび、玉張りもなくなり糖度ものらなくなる。ダニの大発生も予想される。
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 いままでの話をもう一度まとめ直してみよう。?低温の曇り日が続き?急激に高温の晴天続きになる?そして秋の長雨に入っていく。この異常気象の天候パターンで何が起こってしまうか。イメージできたでしょうか。

 もっとも大きな問題は秋、冬の育苗と定植である。高温続きの中で育苗するわけである。しかも夜温が下がらないとすれば苗はヒョロヒョロと弱く生長してしまい、根はできないということになる。この暑さでは1000mの高地まで昇っても夜温は下がらないのである。
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 異常気象はすべてに大きな影響を与える。例えば水の与え方である。高温になって乾燥したから水を与えたとしても植物は吸収してくれるだろうか。たくさん水を与えれば病気が出る。少なく回数多く与えれば仕事の手間がふえる。与えた水はすぐ蒸散する。痛しかゆしになる。午前中の高温で葉面散布して水滴をつけてしまったら、水滴がレンズの役割をして葉を焼いてしまうことになる。

 肥料にも同じような現象が発生する。低温で曇り日が続いたら生長はよくない。追肥をドンと入れる。急に気温が上昇する。温度が10°上がると土の呼吸は2倍になる。肥料の分解は2倍に早くスピードアップする。

 肥料の分解がすすむと土の中の酸素量は急激に減ってくる。肥料が酸素を使うからである。土の中は酸欠状態になる。土の中が酸欠になる肥料の濃度障害が起こる。根が焼ける。細毛根がなくなる。肥料を吸う力が弱くなる。
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 ため息が出てしまうでしょう。天候の急激な変化はこの年がはじまりである。
 毎年、これが激しくなっていく、と予想される。予想がはずれることはない。多くの科学者がすでに警告をしているからである。

 さて、みなさんはどのように対処するのでしょうか。もっとも困ったことに土も植物も悪循環に入って弱り始めると、それが加速されていくということである。

 病気になった人を思い出してほしい。わずかの時間で見る影もなく、衰弱していく。衰弱が始まると、元に戻ることはない。植物も同じなのである。衰弱する前に手を打たなくてはいけない。どのように手を打ったらいいのか。ヒントは自然の山野草にある。
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 このような急激な天候異変にもかかわらずに、見事に適応している。微生物の力である。微生物に力だけで、枯れもせず弱りもせずに隆々としている。微生物には信じられないパワーが隠されているのである。異常気象に対応するにはこの微生物パワーを活用する以外に手はないのである。ここに基本の原点を置きながら遮光ネットの活用などの暑さ対策を施していくのである。環境が大きく変化したことは常に頭に入れてほしいのである。

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