農家が「農業経営」に成功しないのは理由がある

農家が「農業経営」に成功しないのは理由がある

玄米アミノ酸 農業という事業の中で最もやっかいなのは病虫害でも土壌病害でもない。農業経営である。これができる人が少ない。99%が農協まかせのドンブリ勘定である。ひどい生産者になると残金がいくらで借金がいくらかもわからない人も多いのである。
 現在はないと思うけれども30年ほど時代をさかのぼると白紙の委任状に印鑑をペタペタ押したという話はアッチコッチで見かけられたのである。もともと経営者としての自覚のある人が少ないといってもいいのである。



 このひどい状態は改善されたかというと…?である。理由は簡単である。経営を教える人が誰もいないのである。

 いつ、どこで、どうやって経営の学習をするのか、その前に経営を学ぶ必要があると思っている生産者は何人いるのかすら疑問である。こういう状態の中で農業経営に成功しようと考えたら、それはもう道なき道を進むようなことになる。日本からアメリカへ手こぎの船で行くようなものである。

 事実、農業経営で成功した人は数が少なく、しかもとてつもない苦労の結果、息も絶え絶えに成功にたどり着いている。

 しかし、よく考えてみれば農業は国家事業でもある。行政が何もしていないわけがない。実はもの凄い予算を取って農業事業を育成しようとしているのである。2008年の10月29日〜30日にかけて農林水産省が主催する「アグリビジネス創出フェア」というのが開催された。

玄米アミノ酸 約200の産学官の事業体が出展している。入場は無料。「そんな展示会は知らないよ…」当然である。官と関係のない所には案内はない。この展示会に行って話を聞くとびっくりである。農業ビジネスのすべてが揃っている。補助金もドッサリ出ている。しかし結果はまったく出ていない。実に不思議な世界なのである。なぜアグリビジネスは成功しないのか。明確な理由がある。農水省があって大学があって業者はいるが生産者がいないのである。限場のデータが取れないのである。

 デタラメをやっているわけではない。研究はまじめにやっているのである。すばらしいアイデアや研究は数多くある。不足しているのはマーケティング力と経営力である。生産者と実によく似ている。

玄米アミノ酸 話を元に戻そう。生産者が経営者になるためには生産技術とは別に経営を学習しなくてはいけない。経営を学習せずに経営はできない。経営の基本はバランスシート。貸借対照表である。これを見ればどれくらい損が出ているのか、利益が出ているのか、どれくらいお金を使えるのか、すべてがわかる。農業法人にしてもこのバランスシートをきっちり作っている人はほとんどいないと思う。

 これにも理由がある。農業生産者は税制上大変な優遇を受けていて税金を払う必要がない。多くの経営者から見たら、うらやましい限りなのである。ところがこの財務表ができないと経営はできないのである。この表をもとにして広告や宣伝、集客をしたりすることになるからである。

玄米アミノ酸 農業生産者はとにかく有利な立場にいる。しかし経営を知らないが為に事業に成功する人はほとんどいないのである。例えば成功をしたとしても血のにじむような努力の結果になる。北海道の富良野といえばラベンダーが有名である。富良野の名産にしたのは富田さんという一生産者である。米作りを始めたがうまくいかずトボトボと道を歩いている時に野性のラベンダーに出会った。涙を流して感動をした。これを栽培しようと思った。見事に成功をした。その成功を見ていろいろな人がラベンダーの栽培を始めた。昭和34年に輸入が自由化され価格が下落した。ラベンダーを作る人はいなくなった。収入は0になった。それでも富田さんはラベンダーを作り続けた。ある時にラベンダーを商品化する方法を教えてくれる人に会った。その人に助けられてラベンダーの関連商品を作った。大ヒットした。

 ようやく事業に成功して年4億円ほどの売上げをあげることに成功したのである。しかし一度は地獄を見ている。

玄米アミノ酸 徳島の竹内園芸は苗の生産販売をしている会社である。年商12億円である。単価の安い苗で12億円は凄い売上げである。20年かけて事業に成功した。すべて自己資金でまかなっている。夫婦の月給は300万円ずつである。これを事業に投資していくのである。現金は残らないが資産は残るという方法である。

 青森に小金崎農場というのがあった。農家の長男3人が家の田畑を捨てて新規に農地を求めて農業を始めた。売上げ4億円までになって成功したが夏大根の産地を北海道に奪われて失敗した。

玄米アミノ酸 経営というのは金勘定だけではないのである。商品開発、市場開拓、人材教育、広告、宣伝、省力化、合理化、競争に勝つための工夫など広範囲に学習する必要がある。この学習ができて経営なのである。

 この経営をマスターすれば農業生産者はとてつもなく有利なのである。なにしろ原材料が自分で生産できるのである。小麦を作ってラーメンやうどんができるのである。どうしてそれができないのか。次回の話をお楽しみに……。

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