微生物の検定

微生物の検定

微生物の検定


 世界に三大穀物生産地がある。ヨーロッパのウクライナ、南米のパンパス、アメリカのプレーリーである。ここの土は何が違うのか。微生物の働きが活発で土のすき間に空気をしっかり含んでいる。これが豊富な穀物を生産する原動カになっている。中国にもこういう土地がある。モンゴルとの国境沿いでバイカル湖の手前にある野菜生産地である。連作も問題がなく、土壌障害も非常に少ない。ここの土を試験すると土に水をめいっぱい含ませても水で満たされる事がないという不思議な現象がおこる。団粒構造が出来ていて排水が非常にいいのである。
 こういう土は日本に少ない。素質が悪くても人間のカで変化させる事はできる。微生物の働きを活発にすればいいのである。ところが微生物は目に見えない。うちの畑にはどれくらいの微生物がいるのだろうか。それを見る方法がある。今回はそれをお手伝いしようと思う。
用意するもの
1 牛乳のガラス瓶200mlのもの(牛乳びんでなくとも広口のガラス瓶で厚さのあるもの)
2
電気行火(あんか)30℃に温度を保つために必要である。
3 フタ付き発砲スチロール。電気行火がすっぽりと入るものがいい。
4 簡易の土壌検定機。(10項目程度の分析が出来るもの。)富士平工業にドクターソイルというものがある。これは主に硝酸態とアンモニアの量を測る。
準備ができたらたら、いよいよ微生物の検定に入る
1 牛乳びんを熱湯に10分間漬けて消毒する。
2 消毒後、牛乳びんに畑の土をティースプーンー10杯入れる。この畑土は肥料の影響を受けていない土を選ぶ。EC 0.1以下。
3 尿素を一粒入れる。尿素は平均的な大きさにする。尿素を入れたらサランラップで閉じる。
4 発布スチロールの箱に電気行火を入れる。温度を35℃に保つ。この中に畑土と尿素の入った牛乳びんを入れる。
5 24時間後、48時間後51週間ぐらい経過を見る。
6 1日後、2日後、3日後と尿素が硝酸態に変化した経過を見る。
 尿素の状態で何も変化がないというのは最悪である。硝酸態に早く変化するほど微生物が多いという事になる。逆にいうと堀場製作所の硝酸イオンメーターみたいなものがあると簡単に計測できる。耳かき棒、一杯ぐらいで硝酸態の濃度を見る事ができる。
 以上のような方法でいろいろな土を試験してみるといい。3日たち4日たっても硝酸態が検出されないものは要注意である。微生物も少なく土が酸化状態になっているといってもいい。尿素を入れない土でやってみてもいい。表土とか深土とかいろいろな土を試験してほしい。尿素を入れたのは硝酸態に変化しやすいので微生物がいるかどうかわかりやすくするためである。
 これはいろいろな質材の検定にも使える。この有機肥料がいいとか化学肥料で新タィプが出たとかすすめられると思う。この時に畑の一角を使い試験してみるのである。尿素が早く硝酸態に変化するのであれば微生物を活性する良い質材という事になる逆に尿素のままであれば微生物活性はないという事になる。家庭でできる簡単な方法である。
 連作による土壌病害は例外なく微生物の欠乏症である。微生物の検定という方法を知っていれば打つ手は見えてくる。連作障害を事前に防止できる事になる。

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