樹勢を知るには根と葉の糖度を計測する

樹勢を知るには根と葉の糖度を計測する

樹勢を知るには根と葉の糖度を計測する


 人間の病気で糖尿病と言うのがある。血液中の血糖値が上昇する病気である。人間は、糖質分が重要な役割をしている証明である。
 糖尿病の話をなぜしたかというと、植物でも糖分は非常に重要なのである。糖度計というのは普通の生産者なら、ほとんどの方が持っていると思う。それは何の時に使うか。収穫した作物の糖度を計る時に使うのである。 「アホな事を言うな。そんな事はあたりまえだ。」それ以外は、何に使っているでしょうか。これが重要なのである。定植時の根や葉の糖分を計測する事によって、植物の生理状態を知る事ができる。植物の生理状態がわかれば、栄養状態や肥料の状態まで把握する事ができる。糖度計の使い方で、これだけわかるのである。
  特に大切なのは育苗期である。根と葉の糖度を計る。根は5度くらい、葉であれば8度〜9度くらいが適正である。糖度がこれよりも低いと根に勢いがない。肥料が多すぎても少なすぎても、糖度は低くなる。
 植物の糖度を調査する大きな理由がある。栄殖成長から生殖成長への移行がスムーズにいくかどうかである。生理状態がよければスムーズに移行するし、悪ければギクシャクする。もっとはっきり言うと、収量が取れるかどうかは、ここで決まると言ってもいい。それだけ重要なのである。それが植物の糖度を計るだけでわかる。糖度計って使えると思いませんか。
  病害虫も同じである。高糖度でも低糖度でも病害にやられる危険は高くなる。定植後の根と葉の糖度を知るだけで、病害まで予測できてしまうのである。
 糖度を計測するもう一つのポイントはわき芽である。トマトやキューリなどの果糖類を計測するとよくわかる。このわき芽が5度で安定していると、生理状態はいいという事になる。育苗期だけではなく、生殖生成期も使えるという事になる。例えば、葉の色も濃いし、花芽も少ない。受精もうまくいかない。こういう場合は、糖度が8度前後になっている場合が多い。肥料過多、糖尿病状態である。
  わき芽の糖度を5度で安定させるというのは、かなりおとなしく作らないとできないのである。チッソ、リン酸、カリをたくさん入れると畑は暴れだす。病気はでるわ、害虫がわいて来るわという事になる。
  おとなしく作るというのは、むずかしい事はまったくない。しかし、生産者にしてみれば、肥料が少なくて物がとれるかという不安が常にある。それで、つい多目に施肥をしてしまう。これを改めるためにも、糖度の計測は重要なのである。
  育苗期の根と葉、成長期のわき芽、この糖度を定期的に計るだけでどういう対処をすればいいか、理解できるようになるのである。
  どういう野菜がおいしいと言われるのか。このように質問されたら、どう答えますか。有機栽培、無農薬と言えますか。これが必ずしも、おいしいとは言えない。理由は、硝酸態チッソ過多で、糖尿病をおこしているかもしれないからである。
  人間がおいしいと感じるのは、植物の生理状態が健康な場合である。おいしい野菜や果物をつくりたい。そのように思ったら、作物の糖度を管理する事である。育苗期、成長期の糖度が管理できれば、おいしい作物の作り方が見えてくるはずである。 >

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