土の性質と欠点を知れば 最大限の有効活用ができるようになる!

土の性質と欠点を知れば 最大限の有効活用ができるようになる!

 農業は「土」で成り立っている。これは誰も否定しない。この土が何だか分からない。比較するものもない。商品として売られているわけでもない。何だか分からないものに、もっとも大きな影響を受ける。それが農業なのである。土壌学という学問はある。これは現場の役には立たない。土壌学は地質学に近い。ほとんど分析学である。それが分かったからどうということはないのである。大切なことは現場で使えるかどうかである。問題があると思われる土を取り上げてみよう。
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 火山灰土から説明をしよう。日本の1/4は火山灰土である。大きな火山のある周辺はほとんどが火山灰土といってもいい。富士山、阿蘇山、大山、八ヶ岳などなどである。

①火山灰土

 火山灰土は軽くてフワフワしている。黒い色をしている。火山が噴火する時に出る灰が積って出来た土である。主な成分が鉄とアルミニウム。鉄は問題がない。アルミニウムが厄介なのである。植物にとっては猛毒である。少し酸性に傾いただけでアルミニウムは溶け出す。溶け出すとリンと結びつく。リンが不足する。そのために火山灰土にはリン酸が必要になる。もっとも重要なのはP.Hである。これが酸性になると大問題。石灰の施用が必要になる。またやせた土であるために有機物が必要になる。このように火山灰土の欠点を補うことで良質な土に変えることは可能である。耕しやすい、排水もいい、栽培しやすいという良い点も活かせる。

②赤土

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 これは亜熱帯の時代(100万年前)に大量の雨が降って作られた土である。栄養も微量要素もほとんどない。海岸に近い所に多く見受けられる。山形の庄内地区、静岡の牧之原、島根の海沿いなどである。赤い色というのは鉄分だけが残ったのである。これに有機物を加えると激変する。赤が茶になり黒っぽくなる。生産力が大幅にアップする。乳酸菌もみがらぼかしがもっとも効率良く働く土である。

③砂土

 これは海沿いに多い。栄養分はほとんどない。砂は排水が良すぎる。肥料が効かない。それで、どうするかというと深い所ではなく、浅い所を利用した栽培をする。イスラエルは砂漠地を農地にするために点滴灌水法を開発したのである。微生物資材も有効に働く。

④灰色低地土

 川が流れている周辺に稲田があるところに多い。土の色が灰色をしている。川が氾濫して泥が積って出来た土である。下の方にレキ(小石)などがある。下流域になるほどいい。稲田だけでなく冬場の転作にも向いている。この土は欠点が少ない。栄養分は多くない。有機物は効果的である。
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 問題のある土を取り上げてみた。1940年まではこの通りの土であった。自然物しか使用しなかったのである。それから10年。これは過去に例のないことを極端にやった。戦後の経済発展とともに土に投入する物が爆発的に発生した。化学肥料や農薬だけではない。家畜も大量に飼育され、糞も山のように出てきた。産業廃棄物も山のように出てきた。降って湧いたとはこのことである。1940年前までは農業生産をするためにどれだけ苦労して肥料というものを集めたことかと比較すると比較にならない。まさに激変したのである。
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 チッソもリン酸もカリも石炭も使いたい放題である。作物の価格も上昇した。いくらでも欲しいだけ手に入る。これはこれまでの歴史になかったのである。誰も経験したことのない世界なのである。その結果、やせた土は消えた。今の日本には肥料不足の土なんて、どこにもない。その逆になってしまった。投入し過ぎの過剰害である。一日一食しか食べなかったような人間が、三食腹いっぱい、おいしいものだけを食べ続けていることになったのである。極端から極端にブレたのである。

 このような実感を持っている方はほとんどいない。現在が当たり前のように思っている方が大半だろう。過剰害になったかどうかは見ても分からない。触っても分からない。五感では分からない。作物が教えてくれる。

 病気が出る、生理障害になる、害虫がつく、おいしいものができない。最初に土の性質について話をしたように土には、そもそも問題がある。この問題を補うような形で栄養分を投入していけばバランスは保てた。ところがそうはいかない事情がある。収入の確保である。人間の都合で肥料を投入する。バカスカと入れる。その結果、土はバランスを失う。これが、どういうことになるのか、誰も分からない。経験したことがないのである。でも予測はできる。肥料が不足していた1940年前の方がまだ可能性がある。過剰については経験がないために対策もない。いや、対策を立てようともしない。資材が売れなくなる。しかし、このままでは土は死んでしまうのである。もう何も受け付けられないほどの栄養過多だからである。

 このことに早く気がついた方だけが生き残ることができる。肥料投入の「過剰害」とは書いたけれども過剰害を自覚できている人はまれに近い。大半の方は過剰害とも思わず、さらに投入を続けているのである。大食いを何十年も続けたら、どうなるという実験でもやっているような気がする。すでにギブアップして離農するしかない方も続出している。これは事実である。土が出来るのは気が遠くなるような時間が必要だが、壊すのは一瞬で壊れる。それが土である。

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