野菜生産の大規模農地造形に学ぶべきこと! ゲリラ豪雨対策が生死を分ける

野菜生産の大規模農地造形に学ぶべきこと! ゲリラ豪雨対策が生死を分ける

 2月は冬であり乾期である。昨年を振り返ってほしい。今までよりも、さらに激しくなったことがある。局地的な豪雨である。「一年分が一日で降った」という報道をどれくらい聞いたことだろうか。毎月である。家が流された。土砂が崩れた。とにかく雨が多かった。平年でも雨の多い日本で、さらに雨が多くなったのである。雨は今年も要注意なのである。この雨で農作物は大きな被害を受けた。とテレビで報道される。どこの、誰が、どれくらいという報道はされない。だからピンとこないし実態はわからない。
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 稲田に雨が降ったとしても、もともと水田である。被害はない。しかし畑は違う。大きな被害を受ける。

 ではどこの畑なの…?共通して被害を受けている畑がある。それは新規に造成した畑である。稲田の大規模化である区画整理がほぼ終了して、畑の造成が盛んに行なわれている。農事法人化が大規模化のエンジンである。区画整理もそうだけれども、畑の造成は個人では難しい。河川法があって、行政が主導するのである。水利権の管理は、国が権限を持っている。

 大規模な畑といえば、北海道の代名詞だったけれども、農事法人化の推進で全国に大規模な畑が出現しつつある。造成されて大規模化された畑は集中豪雨に弱い。もろい。もの凄く弱いと言った方がいい。雨の対策がほとんどなされていないのである。排水という感覚が0に近い。
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 よく考えてみればそうなのである。行政は畑がどのようにして成立しているのかを知らない。仕事を受けた土木業者も畑のことはまったく知らない。土地の勾配だけを修正して畑として渡すのである。表土は削られているので肥料分も少ない。そして雨の対策もない。そこで出来る野菜はどのようなものになるだろうか。しかも大規模だから、大型トラクターが走り回るのである。硬い土をさらに硬くする。そこへ化学肥料を大量に投入する。そして雨が降る。土はどんな状態になるだろうか。まともな野菜が作れるだろうか。何をどう考えても質のいいものが収穫できるわけがない。畑を大規模にして効率化はよくなったけれども、売上げを出せずに困っている農事法人が数多く見受けられるようになったのである。これは今までになかったことである。

 こういう畑は生まれ変わって生き返ることができるだろうか。どう思いますか。かなり厳しいと言わざるを得ない。それには理由がある。今までの農業は土壌を調べる、改善する、改良するということはやってこなかったのである。慣れていない。技術がないのである。技術を提供してくれる所もない。農事法人の継続すら難しいと思う。
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 これは他人事ではない。大雨にいつ出くわすかわからないのである。雨対策はやりすぎということはなくなったのである。

 雨の流れ道を明渠排水はもちろん必要である。畑に降った水が下へ、縦浸透していくことも重要である。そのために土壌は団粒でなくてはいけない。さらに暗渠排水も入れる。10年ぐらい経って古くなっているとしたら、新しく入れる。

 「そりゃ、わかるけど、お金と時間がない…」大規模造成された畑を調べて見学してほしいのである。県の農政課あたりでわかると思う。何が言いたいのかというと、近未来の日本の農業の姿が見えるのである。

 ロータリー耕と化学肥料で土の硬くなった畑は多くなっている。新規造成した大規模な畑は極端な例だけれども、すでにその状態に近づいている畑は少なくない。雨にもの凄く弱いのである。毎年、雨の被害は多くなる。そこへ猛烈な暑さである。対策を立てられるとしたら冬の時期しかない。春になってからでは遅い。具体的に行動をしないとしても、「どうするか」程度は考えてほしいのである。

 農機具は以前に比べて格段に機能がアップした。土木工事の機械も同じである。短期間で比較的に安いコストで改良できるようになったのである。

 雨対策のチェック方法としては周囲の地形、水の流れ、水のよどみ、周囲の地質、川幅、土地の傾斜、雨が降った時の経験などを書き出してみると明確にイメージができると思う。
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 最後に大切なのが、土壌の縦浸透である。排水のよくない場所を選ぶ。そして50㎝四方を3~5㎝掘る。50㎝四方が3㎝~5㎝低くなってお盆のような形になる。 そこに色つきの水を流す。青とか黄色とか、わかりやすいものがいい。一晩置く。50㎝四方の周囲を丁寧に掘ってみる。水がどのように流れたかを調べる。縦に浸透して流れていれば良い。横に流れていたら排水はダメ、斜め横もダメ、大部分は横か斜めだと思う。縦にスーと落ちていく畑は10%ぐらいしかない。縦に落ちていく土壌は土がいいか、または乳酸菌もみがらぼかしを使ったような土壌である。

 雨対策がしっかりできた所だけが利益を出して生き残れる時代は今年にも来るかもしれない。状態はひっ迫している。

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