わかっていそうで、まったくわかっていない「土の中の水分量」の重要性!

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楽して儲かる農業みーつけた
 植物にとって水は命である。どんなに栄養分があったとしても水分なくして吸収はできない。水分に含まれて栄養を吸収するしかないからである。これに異論を言う方はいないと思う。それほど重要なことならば、土の中に含まれる適切な水分量はきちっと管理されているだろうか。管理ができている人は1%もいない。0.01%ぐらいである。一万人いて、一人だけと思っていいぐらいである。「私はしっかりやっているよ…」それは何を基準にしてそう言うのであろうか。勘ではダメなのである。こんなもんだろうで適切な水分量が得られるのなら農業で失敗する人なんていない。

 勘はハズれるから失敗してしまうのである。土の中の水分量を計る機械でP.Fメーターというのがある。10㎝用、20㎝用、30㎝用の3種がある。これを土に差し込むだけで土の中の水分量が適切かどうかを知ることができる。科学的に客観的に正確に土の中の水分量が知りたいと思ったら、P.Fメーターを使う以外にない。各種毎、一万円ぐらいの費用である。手が出ない金額ではない。にも関わらず、これを持っている方は実に少ない。ほとんどが山勘である。「山勘のどこが悪いのよ…今までそれでやってきて、そこそこやれているからいいじゃないの…」と思うかもしれない。土の中の乾燥害と加湿害の恐ろしさを知らないからである。
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 P.Fメーターでは1.8が最高適切値である。1.5を切ると加湿害が出る。2.0を超えると乾燥害になる。P.Fメーターというのは植物が土から水を引き出す力をいう。値が小さいほど水分量が多く水を引き出す力はいらない。値が大きくなるほど水分は少なく水を引き出す力がいる。

 2.0を超える乾燥害になるとどうなるのか。1.5を切る加湿害になるとどうなるのか。これが一瞬でわかるとしたら、生産者としては一流である。ほとんどピンとこない。乾燥害の方から説明しよう。土の中に水分が少なくなって乾燥するとどうなるのか。水分が少なくなるというのは煮詰まるということである。煮詰まると味は濃くなる。くどくなる。しつこくなる。あまり美味しくない。土の中でも同じことが起こる。土の中の水分が不足すると肥料濃度が濃くなる。化学肥料は特に濃くなる。人間は味が濃くても食べられるが根は違う。水分が吸収できなくなる。塩分が強すぎるからである。まったく吸収できないというわけではない。強い塩分を根が吸収したらどうなるか。枯れる。萎れる。漬物状態になる。立ち枯れである。樹勢は極端に弱くなる。微生物もいなくなる。

 乾燥害は害虫とか病気とか以前の問題である。砂漠では植物が育たないのと同じである。日本は雨の多い国なので、乾燥害はそれほど心配いらないかもしれない。
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 加湿害は1.5を切った場合に起こる。土から引き出す力が少なくてすむという意味である。これは万病の素になる。土壌病害、害虫、カビ、ウイルス、すべての温床になる。水分過剰の所に有機肥料を入れたら、どうなるだろうか。単純に考えて腐敗する。腐ったらガスが湧く。病害菌が活発に働く。日本は圧倒的に加湿害が多い。水が豊富にあるという理由からだと思う。土の中の水分量を山勘でやった結果がどうなっているのか。少しは理解していただけたでしょうか。P.Fメーターがあれば客観的に多い、少ないが判断できるのである。

 もちろん、これは極端な例を取っている。

 その方がわかりやすいと思ったからである。P.Fメーターのストライクゾーンは1.5~2.0の間である。それほど狭くない。問題は土のどこに、どれだけの水分があるかである。これは土の構造や性質、それに耕運の仕方やマルチのやり方によっても大きく違ってくる。だから10㎝、20㎝、30㎝の3種類が必要になるのである。実際にやってみると土の深さによって水分量が相当違うのである。

 例えばトラクターで耕運して、すぐにマルチを張ったとしよう。最近はそういうシステムになっている。そうすると土を過細に分解して、すぐマルチを張ったら水分は抜けていない。当然、10㎝、20㎝は水分過多になる。最初から水分過剰なわけだから、いい作物が作れるはずがない。こういうことも理解できるようになる。
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 同じように粘土質の場合はどうか。砂土の場合はどうか。火山灰土はどうなのか。土の性質によっても水の浸透はまるで違う。土の中のどの位置に水分は必要で、どの位置には水分が不要なのかということである。これがわかれば理想的な栽培ができるようになる。表面は乾いていても、根圏に適切な水分があればいいということになる。その根圏は10㎝なのか、20㎝なのか、30㎝なのかということである。これは土の中の水分量の原理、原則である。乾燥に強いとか加湿に弱いとかよく言われるけれども、それはほとんど関係ない。気にしなくてもいい。P.Fメーターの1.5~2.0の範囲で考えればいいだけである。乾燥に強ければ2.0に近い水分量でも元気で育つということである。

 加湿害の病虫害であれこれ悩むよりも、まず土の中の水分量を調べることの方が大切で近道である。ここが解決されれば大きな問題は未然に防止できるはずである。

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