農業行政の「からくり」は崩壊寸前の惨状にある!

農業行政の「からくり」は崩壊寸前の惨状にある!

 日本の農業行政は、猫の目と言われている。コロコロと変わるという意味である。本当にコロコロと変わっているのだろうか。変わることで振り回されてきた生産者からするとそう見えるかもしれない。でも、よく考えてみてほしい。日本の役人である。前例がなければ何も動かない人たちである。その人たちがコロコロと変えるのだろうか。実は何も変えていないし、変えられないのである。「そんなことはない、事実コロコロと変わっているではないか…」いや変わっているように見せかけるのである。そこが役人の技術なのである。行政を批判しているのでもなければ役人を否定しているわけでもない。
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 その奥にあるものを知らなくてはいけないのである。行政で仕組みを変えるというのは考えている以上に大きな問題である。仕組みは変えたくないのが行政の本音である。では何を変えるのか。仕組みは変えずに、付け替えをする。耕作機でいうならアタッチメントを取り替える。これなら本体は変えなくていい。目先を変えるだけなのである。替えるアタッチメントは最初から用意されている。

 補助金でもそうだが制度は変えずに、付ける補助金の品目を変える。なぜ変えるのか。住民からの要望がある。政治家が動く。それに対応しなくてはいけない。表面的にはいかにも対応したように見せかけるのである。TPPも決着はこの辺りなのである。

 農水省が現在、もっとも急務でやりたいと思っていることは農地の集積である。農地を集積して大規模化に進めたいのである。
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 大規模化は日本の農業改革になると考えている。同時に大きなお金も動く。農水省にとっても魅力ある事業なのである。ところが、この農地集積が進まない。農地中間管理機構という組織を通して補助金をわんさと出している。貸したい生産者が機構と市町村を通して第三者に農地を貸し出すというものである。生産者は貸すことに抵抗がある。売ることにはもっと抵抗がある。さらに引き受けても少ない。作っても販路がない。利益も出ない。

 現場を無視して補助金だけをつける。笛吹けども踊らずである。農地を貸すことに、なぜ抵抗があるのか。それは周囲の目である。農業者としてダメだったという烙印を押されたようなものなのである。なぜ貸すのかという目的が見つからないのである。これでは貸すわけがない。
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 農地を集積して大規模化農業を実現するには農地の管理と栽培を指導する人がどうしても必要である。農地のフィールドマンというのである。これは極端な人材不足である。農業を始めた大手企業でも、喉から手が出るほど欲しがっている。フィールドマンとはどんな仕事なのか。まさに中間管理職そのものである。まず必要とする企業の要望を聞く。その要望に沿って、生産者を指導する。生産者を指導するといっても、栽培に関することだけではない。品質管理、価格、収穫量、時期、保管方法など詳細に渡って指導しなくてはいけない。1円~2円のお金もからめば感情も逆立つ。企業からは結果責任が問われる。責任は大きく仕事の負担は重く、給料は安いのがフィールドマンである。誰もなり手がいない。若者は特にやりたがらない。汚れ役を押し付けられて、土曜も日曜もないような生活をして収入はわずかでは誰もやらない。
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 日本の農業行政は本体の仕組みを変えず、目先だけを変えてきた。そのツケが一気にきているのである。農業の大規模化なんて、所詮、夢物語である。役人の作り話にすぎない。うまくいくわけがどこにもないのである。農協は不動産業になり、営農指導にはまるで興味がない。すべて業者に丸投げである。これは日本農業の惨状であり、現実であり、未来である。絶望的というより他はない。

 何が欠けているのだろうか。それは「現場」である。現場で働く人の気持ちが抜け落ちている。農業行政は役人と政治家が絵に描いた絵そのものなのである。繰り返すが、これは批判ではない。事実であり、現実なのである。
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 農業の現場を変えるには今までのやり方ではダメなのである。農水省はそこを変えようとしない。それは大きな既得権が眠っているからである。変えないというより、変えられない。どこかに大きな痛みが出る。そうだとしたら、まったく別の新しい仕組みを作るしかないのである。そのために農業経営者育成塾を始めたのである。静岡農業技術支援協同組合も同じである。これで日本の農業を何とかしようなんて考えていない。現場が変わればすべてが変わる。それは事業の基本だからである。現場のない事業なんてあるはずがない。もっとも大切なのは楽しんで農業ができるかということなのである。

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