大雨で拡大する土壌病害菌!生産物の40%が廃棄というすさまじい実態!

大雨で拡大する土壌病害菌!生産物の40%が廃棄というすさまじい実態!

 今年の6月はどんな気候になるのか。例年に比較して気温は高いと思われる。南からの高気圧が発達しやすい環境にあるからだ。気温が高ければ雲も発生しやすい。心配されるのは雨である。ゲリラ豪雨は猛暑日にならないと出にくい。7月後半からというのが例年だった。それが早まるかもしれないのである。
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 集中的に短時間で大雨が降る。そうすると畑はどうなるだろうか。土壌病害である。これが心配される。土壌病害が発生する仕組みは一つではない。大きく二つに大別される。一つはもともとの土壌病害菌が活発に働く場合である。そして、もう一つが厄介なのである。水の流れに乗って土壌病害菌が移動して病害を拡大させる場合である。

 もともとの悪玉菌が働く場合でも、さらに細かく分類される。例えばソウカ病といっても一種類ではない。何種類もある。その中には薬剤抵抗性を持っているものもある。薬剤が効く病原菌と効かない病原菌がいるのである。「そんなことは分かるわけがない」である。見分けも区別もつかない。抵抗性を持っている病原菌がいるとしたら、消毒をしたとしても意味がないことになってしまうのである。
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 この原因は人間が土壌環境に対して大きな変化を与えたために病原菌が突然変異をしてしまったのである。セン虫も根コブ病も同じである。同一種類と考えたら大間違いである。環境に適応した何種類も存在する。もともとが小さな生き物で世代交代が早い。世代交代する時に環境に適応して生き延びられる新種の病原菌が出てきているのである。

 これはカビも同じである。日本ではバーク堆肥というのが好まれる。これは糸状菌の巣になる。雨が多ければ多いほど繁殖する。酸素がなくても生きられる悪玉菌である。雨がやんで乾燥しても死なない。しつこいのである。悪玉のカビが出れば土壌病害の原因になる。土壌病害菌に共通していることがある。水分を利用して増殖するということである。雨が降り続くほどに、大量に降るほどに病原菌の活動は活発になっていく。
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 そこに環境問題と耕作方法が重なる。環境問題は住民パワーの健康意識が向上していくほど厳しくなっていく。クロロピクリンは大都市近郊では使えない。通報されるからである。しかたなくバスアミドになる。効果は1/3に激減である。

 耕作方法は大型トラクターとロータリー耕で耕す。そうすると土の中は酸素が足りない、大雨が降るとすぐに酸欠状態になる。水が抜けていかないからである。

 さらに加えて、土壌病害が進行するスピードは超高速なのである。驚くほど早い。新しく造成した畑地が50町歩あったとしよう。一年目で10町歩に出て2年目で30町歩に広がり、3年目で45町歩まで広がる。手のつけようがないほどのスピードで広がる。
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 土壌病害は農事組合法人、集落営農、六次産業化など大型生産法人に多いのである。このように言ってもピンとこないかもしれない。土壌病害による生産物への被害は10年前が10%~20%だったとすると、現在は35%~40%にもなる。もっと分かりやすく言うと、収入が半分に激減しているということである。

 土壌病害にやられた生産物が山のように積み上げられている光景なんて大型産地に行けばどこでも見られるのである。ここでさらなる問題が出てくる。病害生産物の捨て場所である。どこにもない。受け入れ場所がない。仕方がないから自分の土地に捨てる。そこに雨が降る。雨で病原菌の胞子や卵が流される。被害はどんどん広がっていく。これが日本の農業の実態である。

 その結果、農業生産法人で利益が出ているのは、ほんの一握りになる。大半は赤字経営である。利益が出るわけがない。今年はさらに異常気象は加速する。土壌病害は拡大することがあっても縮小はしない。対策の立てようがないのである。対策としては病害耐性品種というのも出てくる。その場しのぎである。苗や種の価格が上がるだけの事で、生産者には何の利益もメリットもない。払う必要のなかったお金を払っているといってもいい。
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 この事から農産物の価格は上昇の一途であると考えられる。特に今年の夏はどこまで上がるのかである。この時に順調に生産できていれば大きな利益になる。大型生産法人の農業生産が伸びることは考えにくいからである。土壌病害の問題は大型生産法人だけではない。小規模でも同じである。

 対策は以前から話をしている通りである。どうすれば土壌病害を出さなくても済むのかである。病害に強い土壌を作ることが、もっとも効果の高い方法である。そのためには排水、微生物、そして炭素の多い有機物をやめて乳酸菌もみがらぼかしにする。さらにみどりの放線菌を上手に使うことである。時間をかけて体を使い、汗を流し、お金をかけて、その結果が大量の廃棄物では泣くにも泣けない。馬鹿馬鹿しいことはこの上もない。誰だってやりたくないだろう。だから、それをやらないためには知恵と工夫が必要なのである。

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